総合ポイント制度で全国説明会 JA全中2013年7月9日
総合ポイント制度を導入したJAのこれまでの実績をふまえ、今後、どう制度を設計・運用していくことがJAの特徴を生かした組織基盤づくりに有効なのかをテーマに、7月26日にJA全中は全国説明会を東京で開く。今後、導入を検討しているJAや、都道府県中央会、電算センターなど幅広い関係者の出席を呼びかけている。
◆約100JAで導入
第26回JA全国大会でJAグループは地域に即したJA経営基盤強化の実践を決議した。その基本が「組合員ステージアップ戦略」の策定。組合員のJA利用の深化とともに、地域住民と接点を持ち組合員拡大につなげるなどの戦略で、その有効なツールがJAグループのさまざまな事業を利用するとポイントを付与・還元する総合ポイント制度だ。
この制度は21年度から導入され、JA全中によると24年度末で全国約100JAで導入され、合計会員数は116万人まで拡大している。ただし、会員数の拡大はここ数年頭打ちとなっていることから、より有効な活用策を検討するため、今年4月にJA全中、農林中金、JA共済連、外部コンサル会社をメンバーとする総合ポイントタスクフォース(戦略検討チーム)を立ち上げた。 また、総合ポイント制度導入JAでアンケートを実施するなど、制度の効果も測定している。
◆直売所集約型に効果
アンケートは直売所での購入ポイントを重視した制度を導入したJAで実施。このJAでは信用、共済事業などの事業を利用すればするほど、直売所で付与されるポイントをアップさせる設計にしている。貯まったポイントは直売所での金券発行というかたちで還元しているという。
アンケート結果では「ポイントカード会員になったことをきっかけに組合員になった」という回答者が、現組合員の37%も存在することが明らかになった。 この調査は直売所でもポイントは付与されるが、金融商品やサービス利用でも付与されるという平均的な設計のJAも調査しているが、「直売所集約型」のポイント制度のほうがJA利用の深化や地域住民が組合員化する効果が高いことが分かった。
市場調査会社による「ポイントカードブランド力」調査でもネット通販や量販店、コンビニなどのポイントカードのほうが消費者の利用度・満足度は高く、銀行業界は調査対象業界中、最低だったという結果もある。
◆食と農はJAの強み
JA全中ではこうした調査などから、ポイント付与機会の多く、「貯める楽しみ、使う楽しみ」が感じられる「小売り業でのポイント」が生活者の支持を得ていると分析。JAにとっては地域の農産物を消費者に供給する直売所がそれにあたり、他の金融機関にはない「食と農で差別化できるJA」をアピールする場でもある。
JA全中ではこうした考えのもと、直売所を起点する総合ポイント制度を検討していくことが次世代対策、組織基盤づくりになるとしており、説明会では全面改訂したマニュアルの説明を行う。また、総合ポイント制度導入意向のあるJAをモデルJAとして共同研究会も立ち上げる方針だ。
【総合ポイント制度の導入・運用にかかる全国説明会】
○日時:平成25年7月26日(金)13:30?17:00。
○場所:TKPガーデンシティ竹橋10Aホール(東京都千代田区一ツ橋)
○説明会の主な内容:「総合ポイント制度の現状と課題」、「総合ポイント制度の設計方法」、「総合ポイント制度活用マニュアル(改定版)など。
○問い合わせ:JA全中経営対策部総合対策課(担当:外村 TEL:03-6665-6100)。
(関連記事)
・長野県でJA総合ポイント制スタート(2008.10.02)
・来年4月からJA総合ポイント制度開始(2008.04.21)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日