農協事業の新機軸を探る 農協研究会が現地研2013年11月18日
JA東西しらかわ(福島)でJAの先進事業を学ぶ
農業協同組合研究会(会長:梶井功東京農工大名誉教授)は11月16、17日、JA東西しらかわ(福島県)で第8回現地研究会を開いた。次々と新しい事業を導入しているJA東西しらかわから、JA事業の新機軸を探ろうというもので、同JAの「みりょく満点」ブランドづくりや運営について聞き、植物工場や農村レストランなどを視察した。
◆人間機能高める農産物を
初日はJA東西しらかわの鈴木昭雄組合長が、放射能汚染による風評被害対策のほか、同JAのブランドづくりや、買い取りによる米の直接販売、ガソリンスタンドの週3日営業、直営レストランの運営、植物工場などの取り組みと、その考えを話した。
「みりょく満点」のブランドは、管内に大量にある貝の化石を使った農産物づくりで、大量のミネラル成分を含む貝の化石を投与することで、機能性の高い作物を生産している。年内に完成予定の植物工場はこの考えの延長線上にあり、「人間の持つ機能を100%発揮できる作物づくりをめざしたい」と抱負を語った。
また、米の買い取り販売では、「JAは経済流通団体である以上、売り買い能力が必要だ」ということを強調。さらに消費が限られている農村におけるレストランの運営では、あらたな顧客創造の必要性を指摘。「もはやニーズではなく、ウォンツ(欲しいもの)を追求する時代」と話した。
(写真)
上:鈴木昭雄組合長
下:講演する梶井功会長
◆「農協の使命」実践
2日目の講演では、梶井会長が、こうしたJA東西しらかわの取り組みについて講演。特に放射能汚染の風評被害払しょくで、国に先駆けて管内全域の汚染マップをつくり、東京などで独自の販売活動を展開するなどの取り組みを、「地域の農業生産を一日も早く軌道にのせる農協の使命」を実践したとして高く評価した。
この後、3月に開業したばかりのファーマーズマーケット「みりょく満点物語」と旬彩レストラン「山ぼうし」、さらに貝化石を含んだ堆積物である多孔性古代海洋腐植質の採掘現場、トマトのハウス栽培、植物工場を視察見学した。
(写真)
地元産の食材を使った料理で人気の旬彩レストラン「山ぼうし」
(関連記事)
・孫崎享氏「TPP参加に歯止めを」 農協研究会(2013.06.10)
・農業協同組合研究会が総会(2013.06.03)
・「自民党農政を問う」テーマに第19回農協研究会(2013.03.11)
・支店拠点化はどう進めるべきか 農業協同組合研究会(2012.12.17)
・次世代につなぐ地域づくりを考える 第7回現地研究会inJAいわて花巻(2012.09.05)
重要な記事
最新の記事
-
【令和6年度 鳥インフルエンザまとめ】2025年1月22日
-
【特殊報】チャ、植木類、果樹類にチュウゴクアミガサハゴロモ 農業被害を初めて確認 東京都2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(1)どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(2) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(3) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(4) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
禍禍(まがまが)しいMAGA【小松泰信・地方の眼力】2025年1月22日
-
鳥インフル 英イースト・サセックス州など4州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月22日
-
【JAトップ提言2025】消費者巻き込み前進を JAぎふ組合長 岩佐哲司氏2025年1月22日
-
【JAトップ提言2025】米も「三方よし」精神で JAグリーン近江組合長 大林 茂松氏2025年1月22日
-
京都府産食材にこだわった新メニュー、みのりカフェ京都ポルタ店がリニューアル JA全農京都2025年1月22日
-
ポンカンの出荷が最盛を迎える JA本渡五和2025年1月22日
-
【地域を診る】地域再生は資金循環策が筋 新たな発想での世代間、産業間の共同 京都橘大学教授 岡田知弘氏2025年1月22日
-
「全日本卓球選手権大会」開幕「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年1月22日
-
焼き芋ブームの火付け役・茨城県行方市で初の「焼き芋サミット」2025年1月22日
-
農のあるくらし日野のエリアマネジメント「令和6年度現地研修会」開催2025年1月22日
-
1月の「ショートケーキの日」岐阜県産いちご「華かがり」登場 カフェコムサ2025年1月22日
-
「知識を育て、未来を耕す」自社メディア『そだてる。』運用開始 唐沢農機サービス2025年1月22日
-
「埼玉県農商工連携フェア」2月5日に開催 埼玉県2025年1月22日
-
「エネルギー基本計画」案で政府へ意見 省エネと再エネで脱炭素加速を パルシステム連合会2025年1月22日