協同組合の理念を発信 JAグループ2014年1月7日
JAグループ全国機関は1月6日、東京・大手町のJAビルで平成26年の賀詞交歓会を開いた。
萬歳章JA全中会長は、今年1年間の農政課題として、「春先にヤマ場を迎える」TPP問題や、政府がすすめている規制改革会議などの議論について言及した。その上で、「(信・共分離問題や独禁法の適用除外などの議論は)われわれ協同組合の総合力を削ごうという新自由主義の魂胆だ。今年は協同組合に対するいろいろな圧力が高まると思うが、JAグループがしっかりして、協同組合の理念が評価されるよう行動しなければならない」と、抱負と決意を述べた。
交歓会は中野吉實JA全農会長が「農業の将来にすばらしい光が差し込むように」との乾杯の発声ではじまり、にぎやかに新年のスタートを祝いあった。そのほか、横井義則JA共済連理事長、河野良雄農林中央金庫理事長らが事業連トップとして今年の目標などを紹介した。
【あいさつ概要】
○萬歳章・JA全中会長
2014年は、いろいろな施策が定着するか否かの年になる。アベノミクスによって、たしかに為替や株価の数字は変化したが、農業、食、地方を顧みると、なかなか波及していないと思う。
TPPは春先にヤマ場を迎えるだろうが、日本農業が壊滅するという状況にしてはならない。私は一貫して、TPPは国益を毀損する内容を持つ異質な協定だと言ってきた。安倍総理には、決議や公約の遵守を願いたい。政治は信頼。われわれの信頼に応えてもらいたい。
産業競争力会議、規制改革会議からは、農業や農協に対していろいろな意見が出されている。まさに新自由主義のなかに協同組合を含めてしまおうという流れを感じる。農業が食料安保と地方経済の要であることを実証し、われわれの役割を強めていくことが大事だ。
世界中に食と農、そこに協同組合という流れをアピールし、われわれの運動につなげていきたい。
○中野吉實・JA全農経営管理委員会会長
政治は信なくば立たず。今年は、私たち自ら信があるかどうかを発信していく年になるだろう。
今年は新たな農業政策スタートの年。私たちはそのことを肝に銘じながら、農業に対する不安を払しょくするような活動をしていきたい。自然を大事にしながら、その責任を果たすような仕事をし、今年1年が農業にとって素晴らしい年となるよう、努力を重ねていきたい。
○横井義則・JA共済連代表理事理事長
今年はJA共済連の改革元年。現在の47都道府県本部とは別にブロック拠点をつくり、事業を注力していきたい。震災で約1兆円の共済金を支払ったが、それでも経営は万全。今こそ改革をすすめるべきだろう。
共済は、絶えず10年後、20年後を想定して事業を展開しなければならない。昨年スタートした介護共済など、高齢者時代に応じた新しいサービスを常に提供していきたい。
○河野良雄・農林中央金庫代表理事理事長
農林中央金庫は昨年12月に90周年を迎えた。今年は100周年に向けたスタートの年だ。そのめざすべき姿は、農林水産業と食と地域を支えるリーディングバンク。スタートダッシュで、一歩でもその姿に近づきたい。
暴れ馬の轡は前から、という諺がある。困難な時ほど真正面からぶつかった方がいいという例えだ。今年1年間、系統一丸となって覚悟をもって取り組みをすすめたい。
○山田俊男・自民党参議院議員
TPPについて、一昨年のJA全国大会から直近までの安倍総理の発言をつなげて考えれば、これはどう考えても、妥協しないという結果になる。(国会で批准を決議する際)党議拘束がかかるかどうかはわからないが、いささかでも、状況を変えられるよう、今の取り組みを継続していきたい。
次の選挙まで早くもあと2年半。なんとしてもJAグループの皆さんと一緒になって闘える後継者を創っていただきたい。
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