人事2024 左バナー 
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
240401・ニッソーグリーン マスタピース水和剤SP
JA全中中央①PC
20241106 ヨーバル sp

法人経営で仕事おこす JA人づくり研究会2014年6月27日

一覧へ

 JA、連合会、中央会の常勤役員・参事で構成するJA人づくり研究会(代表:今村奈良臣東京大学名誉教授)は、第20回研究会を6月19日、東京・大手町のJAビルで開き、新農政のもとで「地域再生を図り、JAの必勝体制をどう構築するか」のテーマで意見交換した。福島大学の守友祐一特任教授、(株)田切農産(長野県)の紫芝勉代表取締役が、それぞれ報告した。

 研究会では今村代表が、農地の“3段重ね”の思想を説明。「上土」(うわつち)は耕作している土地で、「中土」(なかつち)は水路や畦畔、集落、ムラなど、「底土」(そこつち)が国土としての日本国で、国民のもの。この農地をいかに有効に使うべきか、田切農産の報告をもとに考えてほしいと問題提起した。

 

◆地元資源を再評価

守友特任教授 守友特任教授(=写真左)は「農村地域再生のためにJAは何を考えるべきか」のテーマで、住民参加型の地域づくりに挑戦している全国各地の取り組み事例をもとに話した。「明治大学の小田切徳美教授が指摘するように、こんにち、農山村は人・土地・ムラ・誇りという4つの『空洞化』に直面している」ことを指摘し、「これを克服するための、いくつかの処方箋」を示した。
 その一つとして、すべての住民が参加できる場づくりを提案。つまり地元にある文化や伝統、産物などの地域資源を探し、新しく組み合わせて、働く場をつくること。そのためには「くらしの物差しつくり」が必要だという。これは地域の文化を再評価することであり、具体的なものとして「食」の文化がある。
 宮城県の宮崎町(現加美町)における全国初の「食の文化祭」開催や、雑穀文化を掘り起こした岩手県大東町(現一関市)、「子や孫に残したい霧島の食は何ですか」と問いかけ、伝統の食文化を守っている鹿児島県霧島市の取り組みなどを挙げ、これが「6次産業化」の基礎になることを指摘した。
 こうした各地の取り組みに対して、JAは何をするべきか。例として、農産物の直売所を挙げ、「最初のアイデアは農家だが、小さな直売所はその多くが生産者の高齢化などで閉店を余儀なくされてしまった。しかしJAは、これを今日の大規模な直売所に発展させた」として、現場の小さな動きをつかみ、支援していくところにJAの役割があると述べた。

 

◆高齢者には野菜作

紫芝氏 田切農産の紫芝氏(=写真左)は、同社の現状と、今日の課題について報告。同社は2005年に設立した農業法人で、5年前に地域の全員が出資する株式会社に変更。地区の営農組合と二人三脚の形で、多様な事業を展開し、地域の農業を維持し、雇用の場を確保している。
 地区営農組合は、集落の農家全員を対象とする営農組合組織で、地域農業のマネジメント機能を持ち、農地や機械の利用等を調整する役割を担っている。地区担い手法人は地区内の農地の受託経営組織、機械施設等作業受託組織であり農業生産活動の実践組織である。これが「二階建て法人」といわれる方式で、田切農産の場合には、地区営農組合の組合員全員が出資し構成員(株主)となった地区担い手法人という特徴がある。
 水稲作業延べ80ha、大豆防除作業30ha、その他受託作業30ha、乾燥施設の運営などのほか、米・麦・大豆・ソバなど穀物の生産販売、ネギやトウガラシなど野菜の生産販売を手掛け、さらに農産物直売所を持ち、農産物や加工品の販売に力を入れている。
 いわば地域ぐるみ型の生産組織であり、営農組合構成員の高齢化が、地域農業の永続にとって大きな不安材料になっている。現在、同地区の農業従事者は65歳以上が35%を占める。「このままでは10年後、地域の農業は成り立たなくなる」。紫芝氏にとって大きな不安材料である。
 このため現在、白ネギ、トウガラシ、アスパラガスなど野菜の委託栽培を増やしている。苗や資材は田切農産が用意し、支柱、ネットなどは貸し出す。特にトウガラシは週1回の収穫でよく、扱いが簡単で高齢者でも十分対応できる。新商品開発の研究も進め、新規作物を何十種類も試験栽培している。
 直売所は「売る、集まる、加工する」の拠点として位置付け、ハーブ園の併設や移動販売も始めた。また、研修生・就農希望者を積極的に受け入れ、地区での就農を促す。同社のスローガンは「永続する農業 そして地域・農村経営を目指して」。田切農産の取り組みは、地域・農業・生活を総ぐるみでとらえた地域づくりであり、紫芝氏は、自らの役割を考えたときに、農業経営者でもない地域のリーダーでもない農村をマネジメントする「“農村経営”という考えが必要ではないか」と問題提起した。

地域再生で意見交換した「JA人づくり研究会」 なお同日、研究会は併せて平成26年度の総会を開催。25年度の活動報告を行うとともに、副代表に、JA横浜・波多野優常務と福島大学・守友裕一教授を選任した。同研究会の事務局はJA全中教育部にあり、組織・活動の詳細はJA人づくり研究会ホームページに掲載されている。

(写真)
地域再生で意見交換した「JA人づくり研究会」

重要な記事

ヤンマーSP

最新の記事

クミアイ化学右カラムSP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る