「今を紡ぎ、次代につなごう」JA全国女性大会2015年1月23日
600人が体験発表と意見交換
JA全国女性組織協議会(JA全国女性協)は1月21、22日、東京都内で第60回JA全国女性大会を開いた。全国からJA女性部の部員ら、約600人が参加。「JA女性 心ひとつに 今を紡ぎ 次代へつなごう!」のスローガンのもと、日ごろの活動体験をもとに意見交換等を行い、親睦を深めた。また大会宣言のほか、農協改革に関する特別決議を採択し、「JAグループの解体と地域社会の衰退につながる規制改革会議の提言に断固反対し、JAグループと一丸となって自己改革の実践に参画する」ことを宣言した。
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参加者全員がJA女性の歌「明日輝くために」を斉唱
◆農協運動強化に女性パワーを
大会では大川原けい子会長が、60回目を迎えた大会の意義を述べ、特にフレッシュミズの活動の成果を「次代へつなげることが大切」と強調した。また萬歳章・JA全中会長は、JAの自己改革に触れ、「農協は食と農を基軸に、地域に根差した運動をさらに強化する。そのためには、今や女性のパワーが欠かせない」と激励した。さらに日本生協連の浅田克己会長は「農協は農業の発展と、地域づくりに重要な役割を果たしてきた。よりよい生活をめざして女性も、一人ひとりが主役となって元気に、生き生き活動されることを祈念する」と述べた。
活動体験発表では、青森県JA八戸、新潟県JA魚沼みなみ、富山県JA氷見市、滋賀県JAこうか、愛媛県JAにしうわ、鹿児島県JAグリーン鹿児島が、それぞれの活動を報告。また「フレッシュミズの主張」全国コンクール最優秀賞の鳥取県JA鳥取中央女性会フレッシュミズの山田繭子さんがフェイスブックを使った仲間づくりの取り組み等を報告した。
記念講演では内山節・立教大学大学院教授が「これからの国のかたち」で、日本的“あいまいさ”を強調。一口に農業といっても家庭菜園から副業、兼業、専業とさまざまな形態があわさって力となり原動力になっているとして、「これを一つに決め、明確なタテ社会にすると失敗するし、そうさせてはならない」と、市場経済一辺倒の風潮やTPP(環太平洋協定)の考えに疑問を投じた。
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600人の女性が気持ちを一つにした
◆地域の活力つくり、全国の仲間づくりを
JA全国女性組織協議会は、同じ協同組合の女性部間の交流を進めている。森武美・JF全国女性協会長が、扱うものは違っても「同じ生産者同士。食の安全・安心という点では共通する。JA女性部と共に努力したい」とエールを送った。
この後、東京海洋大学の野田三千代非常勤講師の指導で、参加者全員が、本物の海藻をもとにおしば(押し葉)づくりに挑戦。このなかで同講師は海藻の「海の森」を紹介し、「豊かな海は森がつくる」ことを力説した。
大会宣言では次の4点の実践を確認した。[1]地域で受け継いできた「食と農」「くらし」などのJA女性組織の原点を踏まえ、魅力ある活動に取り組むことで、地域の活力を作り出す、[2]エルダー、ミドル、フレッシュミズが世代を越えて認め合い、地域を越えて仲間とつながる喜びを実感し、全国で仲間づくりをすすめる、[3]JAの一員として、JAの自己改革に女性の声を反映させるため、その運営に積極的に参画し、女性のパワーでJAを活性化する、[4]「家の光」・「日本農業新聞」の普及活用を通じ、改めて「協同」について学びを深めることで、JA女性組織の“ありたい姿”を再確認し、その魅力を発信する。
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「山と海のつながり」を実感した海藻おしばづくりに挑戦
(関連記事)
・【第60回JA全国女性大会開催にあたって】大川原けい子・JA全国女性協会長(15.01.21)
・【鼎談】人と人のつながりを活かして、地域を引っ張る女性リーダーに(15.01.21)
・JA運営に女性の参画進む JA全中調べ(2014.11.11)
・JA全国女性協が通常総会 TPP交渉で特別決議(2014.05.26)
・【ブックガイド】魅力ある地域を興す女性たち(JA総研 研究叢書10)(2014.05.22)
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