『家の光』創刊90周年を祝った全国家の光大会2015年2月26日
家の光協会は2月10日、神奈川県横浜市の「パシフィコ横浜」で、『家の光』創刊90周年記念全国家の光大会を開いた。教育文化活動が創意工夫に富み、JA事業に明確に位置づけられて顕著な成績を上げたJAを表彰する「家の光文化賞」では、JA東京むさし(東京都)、JA小松市(石川県)、JA石見銀山(島根県)の3JAが表彰されたほか、6名が記事活用体験、3名が普及・文化活動の体験発表を行った。
教育文化活動を核に地域と次世代育む
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『家の光』創刊90周年を祝った全国家の光大会
大会には約2500人が出席。家の光協会の木村一男・代表理事会長は、「90年の長きにわたって発刊できたのは組合員読者、女性組織、そして役職員のおかげ」と感謝の言葉を述べ、「長年の読者、JAグループのみなさまの愛読に応えるため、地域住民、農家の理解を深める活動を一層強め、JAに結集するための提案を行い、JAの組織基盤強化に努めたい」と決意を述べた。
来賓で出席した萬歳章・JA全中会長は、農協改革やTPP(環太平洋連携協定)交渉、東日本大震災などの自然災害からの復興の取り組みについて述べ、「今年の10月にJA全国大会を迎えるが、JAグループは今まさに重要な段階を迎えている。JAの教育文化活動の実践が、これから一層求められる」と、『家の光』3誌による教育文化活動の重要性を強調した。
大会では「家の光文化賞」受賞JAを表彰。同文化賞は昭和24年に始まり、これまでの65年間で、延べ272組合が受賞している。今回受賞したJA東京むさし、JA小松市、JA石見銀山の3JAは東京都内、平たん部の水田地帯、中国山地の中山間地と、立地条件の違いはあるものの、いずれも創意工夫に満ちた教育文化活動を積極的に展開し、他のJAの範となる特徴ある取り組みを行っている。
記事活用体験発表では、石森さと子さん(宮城県JAいしのまき)の「いのちを継なぐ?出会いは『家の光』から?s」が志村源太郎記念賞を、普及・文化活動では島根県JAいずもの白築明子さんの「『家の光』で女性力アップ」が全国農協中央会会長賞を、それぞれ受賞した。
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木村一男代表理事会長
◆愛読者増やし 今こそ活用
「地域・子どもを巻き込んで」石田正昭審査委員長
43歳から80歳まで、バランスのとれた年齢の人の体験発表だった。農業中心の仕事、家事・育児、趣味と娯楽の3つの時間をうまく使い分け、いずれも地域とつながっている。まさに、人、組織が元気だと地域が元気だということを示している。地域に関わる女性の生き方を教えてもらった。石森さんの発表は、あらゆる活動の始めに『家の光』があり、地域の人を巻き込み、さらに子どもたちに広げていく活動が評価できる。
普及・文化活動では、さまざまなアイデアを駆使し、特徴ある取り組みが示された。JAいずもはとくに女性部の普及活動が際立っている。とりわけグループ活動の表彰、料理で定年後の男性の居場所をつくった活動が評価される。こうした取組みで高い普及率を維持し、少しずつでも伸ばしているところが受賞の決め手になった。
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石田正昭審査委員長
【記事活用の部】志村源太郎記念賞
石森さと子さん(宮城県JAいしのまき)
いのちを継なぐ?出会いは『家の光』から?
石森さんは東日本大震災の被災地JAからの発表。実家の母も嫁ぎ先の義母も『家の光』の愛読者だった。岩手県遠野市で、女性のために田んぼに曲家風のトイレをつくったり、農家レストランを運営したりして、幅広い事業を行っている菊池ナヨさんのことを知って訪ね「仲間といっしょなら心配ない」と励まされ、刺激を受けた。「人から当てにされ、生きがいのもてることをしたい」と考えるようになり、農業で生きていくことを決意。女性部の仲間といっしょにJAが立ち上げた農産物直売所「菜っちゃん市場」に出荷を始めた。
家の光協会発行の『やさい畑』を参考に珍しい野菜にも挑戦し、品数を増やした。野菜ソムリエの資格も取り漬物加工にもチャレンジ。地元の小中学校で食農教育のための出前授業で女性部がソバ栽培をはじめ、小学校に『ちゃぐりん』をプレゼントするなどの活動にも積極的に参加した。「未来のある子どもたちに食と農、命の大切さを教えていかなければならない」と、被災地で暮らす住民としての役割を強く感じている。また夫とともに地域の農業担い手として水稲の規模拡大やイチゴ栽培も始め、地域を巻き込んだ復興に取り組んでいる。
【普及・文化活動の部】全国農協中央会会長賞
白築明子さん(島根県JAいずも)
『家の光』で女性力アップ
白築さんは、JAいずも女性部の5つのブロックそれぞれに配置された女性生活指導員の一人。当時の萬代宣雄組合長から、「何か一つ日本一になれ」と言われ、『家の光』普及日本一に挑戦。当時29.4%だった普及率を36%にアップする目標を立て、結果は目標を上回る38.3%、1039部の増部を達成し、正組戸数1万戸以上のJAで日本一に。それを支えたのは500人を超える部員を集めたJA女性部まつり・家の光大会だ。3つの部門で優良活動グループを表彰。家の光の活用、JA事業への貢献、活動の自主性などで評価し、これまで、330グループの応募で89グループを表彰してきた。「回を重ねるごとに気付きや創造の翼が広がり定着した」と言う。これに刺激されて男性のキッチングループやJA男子職員のキッチンスクールも誕生。これには『家の光』の料理レシピが欠かせない。普及の重点は"女子力"の活用だ。5400人の女性部員の購読調査から始め、50%の購読率を100%にする目標を掲げ、新たなグループづくりを呼び掛けた。さらに家の光記事活用研修会、実践報告など重ね、JA職員には、自主参加型の研修会などを企画。参加者の気付きの機会をつくった。「人と人の縁結びを醸成し、コミュニケーションを深めるには『家の光』が欠かせない」という。島根県の11JAは来月の1日、県1JAに統合し「JAしまね」としてスタートする。「統合後もこれまで以上に女子力アップで、普及・文化活動に取り組む」と決意を述べた。
全国大会の出場者・主な表彰JA (敬称略)
【記事活用の部】
▽足立友美・JAにじ(福岡県)
▽飯田孝子・JA山口宇部(山口県)
▽渡辺公子・JA松本ハイランド(長野県)
▽石森さと子・JAいしのまき(宮城県)
▽中村倫子・JAわかやま(和歌山県)
▽鈴木和子・JA遠州中央(静岡県)
【普及・文化活動の部】
▽宇藤えり子・JA八戸(青森県)
▽白築明子・JAいずも(島根県)
▽北川浩幸・JAながさき西海(長崎県)
【第65回家の光文化賞】
▽JA東京むさし(東京都)
▽JA小松市(石川県)
▽JA石見銀山(島根県)
【平成26年度家の文化賞促進賞】
▽JA白河(福島県)
▽JA相模原市(神奈川県)
▽JA白山(石川県)
▽JAひまわり(愛知県)
▽JA西いわみ(島根県)
▽JAえびの市(宮崎県)
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