小規模農家育成へプラン JA広島中央2015年7月13日
「ふれあい農園」で誘導3コース、入園者は組合員に
広島県のJA広島中央は、農園を開設し、小規模農家の育成に乗り出した。農地の確保や農機への投資、出荷などで支援し、就農を希望する人の不安を解消するもので、農家育成という目的を明確にプランに基づいて運営するところに特徴がある。
「小農家育成基本プラン」と銘打った「ふれあい農園」は、同JA管内東広島市高屋町の約20アール。開設の目的は、農業に興味のある人に門戸を広げ、応援することにある。
同JA管内の東広島市は、広島市への通勤圏内で、広島大学のキャンパスもあり、人口の増加が見られる地方都市の一つだ。新しい住民のなかには、自分で農業をやり、安全で安心できる農産物を作りたいという人も多い。
だが栽培技術を初め、農地や農機具がなく、販売方法も分からないため、実際の就農には不安が多い。「ふれあい農園」は、この不安を取り除き、新規就農を促すための支援を行う。
プランは段階別に3コースある。初級者(喜=よろこび)コースは主に野菜づくりの体験、中級者(豊=ゆたか)コースは作付面積を増やし産直市への出荷、上級者(匠=たくみ)コースは大規模作付けが可能なほ場へ誘導、もしくはハウス栽培等によって農業で生計維持をめざす。「喜」、「豊」の段階では、それぞれ上級のコースへ誘導する。
開園したのは今年の6月で、「喜」の希望者を募集したところ、すぐに定員の18組に達した。12月にかけて1区画(0・3アール)で、12月まで野菜づくりに挑戦する。JAは週に2、3回指導員を駐在させ、現地指導する。また入園者はJAに出資して組合員になってもらう。
園内には伝言板を置いて入園者と指導員意思疎通をはかるとともに、近くのJAグリーンセンターに小ロットの肥料や農薬、種子、苗などを置く。また作業に必要な農機具などは安く貸し出す。生産した野菜は、会員登録せずに直売所に出荷できるようにするなど、希望者にはゼロから就農できるようあらゆる配慮をしている。
さらに農園の一部は新人職員の研修農地としても活用する。
同JAの德永組合長は「地域農業を守るには集落営農や法人のような規模の大きい経営も必要だが、小規模経営も大事にしなければならない。将来、一人でも自立した農家に育って欲しい」と期待する。
(写真)自立経営をめざし、JAの指導を受ける「ふれあい農園」の入園者
重要な記事
最新の記事
-
米価 過去10年で最高値 60kg1万5865円 対前年比114%2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(2)DX戦略にも地域色拡充2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(3)JAは食・農の好循環先導を2024年7月17日
-
「小さな協同」実践 JA松本ハイランドの自己改革 新世紀JA研究会全国セミナー2024年7月17日
-
「きっトラ」と「もし寅」【小松泰信・地方の眼力】2024年7月17日
-
【訃報】生活クラブ生協連の加藤好一顧問が逝去2024年7月17日
-
【人事異動】農水省(7月16日付)2024年7月17日
-
【注意報】ナシ、ブドウなどに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 三重県2024年7月17日
-
ガチャピン・ムックとコラボ「ニッポンエール」グミ発売 JA全農2024年7月17日
-
日本農業の未来をけん引する人材育成へ 宮城県加美農業高校とNTT東日本グループが連携2024年7月17日
-
唐沢農機サービス「夏の大展示会」開催 200台を超える農機具を展示2024年7月17日
-
【注意報】大型斑点米カメムシ類、カスミカメムシ類による斑点米発生に注意 千葉県2024年7月17日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岩手県2024年7月17日
-
「第3回 全国桃選手権」開催 全国から45品がエントリー 日本野菜ソムリエ協会2024年7月17日
-
ハウス栽培向け環境制御システムのラインアップを拡充 クボタ2024年7月17日
-
【役員人事】石巻埠頭サイロ(4月1日付)2024年7月17日
-
葉の光合成速度の低コスト・低労力・高速推定法を開発 農研機構2024年7月17日
-
表参道で佐賀県産「いちごさん」絶品ひんやりスイーツ「いちごさんどう2024夏 」開催2024年7月17日
-
長野県塩尻市と山口県岩国市の歴史的風致維持向上計画を認定 農水省など2024年7月17日
-
生とうもろこしまるかじり 昭和村で農業体験開催 パルシステム群馬2024年7月17日