農業者の所得向上へ 全農自己改革推進本部設置2017年1月27日
JA全農は、1月24日の経営管理委員会で、経営管理委員会会長を本部長とする「全農自己改革推進本部」を設置。農業者の所得向上を実現するための全農の自己改革にかかる事業戦略の策定・実践・進捗管理などに取組んでいく。
この本部は、全農の自己改革の取り組みとして、昨年秋の「『魅力増す農業・農村』の実現に向けたJAグループの取り組みと提案」で示された具体策、政府の「農業競争力強化プログラム」で全農に求められた項目にかかわる対応策などについて、プロジェクトチームを設置し、事業戦略の策定・実践・進捗管理を行うとともに、これらの事業戦略を踏まえた全農の事業運営・経営管理などについても検討していく。
自己改革推進本部の構成は、
△本部長:経営管理委員会会長、△副本部長:経営管理委員会副会長2名、△統括責任者:代表理事理事長、△統括補佐:事業担当専務、△改革推進プロジェクトの設置:担当専務・常務をリーダーとする耕種事業、畜産事業、生活関連事業などのプロジェクトチームの設置、となっている。
プロジェクトチーム(PT)は、耕種部門で生産資材関連事業と米・園芸の販売事業の2つと、畜産事業、生活関連事業などで設置することにしている。各PTのメンバーは各事業ごとの本所担当部署責任者に加えてその事業の主要な県の県本部長も加わることになっている。
PTに「農協改革」では課題になっていなかった生活関連事業を加えたのは、「農業者の所得向上のために、すべての全農の事業について見直していく」必要があるからだという。
当面の検討課題は生産資材事業PTでは、共同購入における予約販売の精度を高めるためにどういう方法があるのか、販売事業PTでは、全農が直接、実需者(業務加工メーカーなど)に売っていくための仕組みの提案など。また畜産事業PTでは、飼料工場の合理化について商系との連携も含めて検討し、生活関連事業PTでは、買い物弱者や高齢者対策を含めた地域活性化に対してJAグループの機能をどう発揮していくかなどを検討する。それぞれの方向性などを3月末までにはまとめていく予定だという。
また「魅力増す...」で示した具体策については、24日の経営管理委員会で原案が決定された「29年度事業計画」のなかで、前倒しし「加速して実行」していくことにしている。
全農ではこの「29年度事業計画」の組織討議を、24―26日に開催された東日本・西日本・同県経済連の会長会議を皮切りに総代巡回や地区別総代会議などによる組織討議を行っていくが、要望があれば都道府県別の組合長会議などを開催し、経営管理委員など役員も出席し、検討を深めていくことにしている。
いずれにしても、3月末の事業計画の最終決定に向けて、どのような「自己改革」を策定し、実行していくのか。そしてそのことがどう農業者の所得向上につながっていくのか、注目される。しかし、全農がそれを実現するためには国の「農業競争力強化プログラム」にもあるように、国がどれだけこのプログラムで示した課題を自ら実践するかも大きなカギだといえるだろう。
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