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「見える化」された自己改革実行計画 29年度事業計画と活力創造プランへの対応 JA全農2017年3月29日

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 JA全農は、3月28日に「平成29年度事業計画」と「農林水産業・地域の活力創造プラン」への対応を決めた。

◆「魅力増す...」具体策を深化・拡充

29年度事業計画と「活力創造プラン」への対応策などを説明する成清全農理事長(3月28日記者会見で) 29年度は、28年度からの3か年計画の中間年にあたるが、この間、自民党の農林水産業骨太方針策定PT(骨太PT)、農業基本政策検討PT、さらには規制改革推進会議などが、「農協改革」「全農改革」についてさまざまに議論し、▽生産資材価格形成の仕組みの見直し、▽流通・加工の業界構造の確立についてなどを全農に求めてきた。
 「事業計画」では、この過程なかでJA全中が28年9月に組織決定した「『魅力増す農業・農村』の実現に向けたJAグループの取り組みと提言」(「魅力増す農業・農村」)で示された具体策を加え「深化・拡充する」とともに、国の「農業競争力強化プログラム」が求める取り組みの具体化をはかり「スピードを上げて実践」していくことにしている。
 「魅力増す農業・農村」で示された具体策は、▽購買事業関連では、(1)生産資材の銘柄・規格の集約、(2)飼料の製造・流コストの低減、(3)肥料・飼料原料の購買力強化。
▽販売事業関連では、(1)事前契約の早期化や精米販売の拡大、(2)契約取引による加工・業務用野菜の取扱拡大、(3)販売事業における直販事業の拡大、(4)国産農畜産物の輸出拡大に向けた態勢強化だ。

◆事業ごとに具体的実践計画を提示―競争力強化プラグラムへの対応

<事業展開の基本的な考え方>
 「農業競争力強化プログラム」に対応する全農の「事業展開の基本的な考え方」は概要次の通り。
◎生産資材事業(肥料)
 新しい事業モデルとして、改めて共同購入の実を上げるようなシンプルな調達・供給ができる競争入札等を中心とする購買方式へ転換。海外からの製品輸入取り扱いを含めて、業界再編に資する資材価格の引き下げにつながる改革を不断に実行していく。
◎販売事業(米穀・園芸)
 これまでの誰かに「売ってもらう」から「自ら売る」に転換する。飽和市場である米穀については「最終実需である精米分野への進出が不可欠と認識」。
 販売事業の新しい事業モデルとして、米卸や卸売市場経由主体から、取引先への出資・業務提携やパートナー市場の選別を行いながら、実需者への直接販売を主体とした事業へ転換し、生産者手取りの向上を目指す・
◎輸出事業
 輸出は「国内農業生産の維持のために不可欠な事業分野」と位置づける。
 輸出先国の検疫や為替リスクなどの阻害要因を一つづつ解決しながら、長期・安定した事業として確立するために体制を整備し、相手国の輸入・消費動向などの徹底調査をもとに、「重点国・品目別の生産・輸送・販売体制の構築を目指す」。

<各事業ごとの年次計画を明示>
 その上で、各事業別の実施具体策と年次計画を立案し、その確実な実践を目指すとしている。
 例えば、肥料事業の場合の「共同購入による新たな購買方式への転換」では、29年6月までに「受注・購入方式転換の生産者への周知」を行い、9月までに「事前予約注文を全農に積み上げ」その後10~12月に「最も有利な価格・工場を決定」して、30年1~3月に「予約注文にもとづく配送」を行う。
 また一般高度化成の銘柄を現行の約400から10程度に集約するため、29年6月までに施肥基準見直し・銘柄集約のための「県行政と協議」、9月までに「JA栽培暦・注文書の切替」を行うとともに「生産者へ周知」することにしている。
 「農業機械」「段ボール」「飼料」についても、具体的な年次計画が立てられている。しかし生産資材のうち「農薬」については、「突破口であるジェネリック農薬」への国の対応が遅れているので、重点品目の絞り込み(29年度中)などは取り組むが、肥料に比べると時間がかかることになっている。
 販売事業についても、「米穀」では、「実需者への直接販売の拡大」では、29年度主食用取り扱いの47%100万t、30年度同62%の125万tと増加させ、36年度には同90%の180万tを目指す。同様に買取販売についても29年度同14%の30万tを36年度には同70%の140万tを目指していくことにしている。
 「園芸」も、「直接販売」を全農取扱金額約1兆円の過半である5500億円を36年度までに実現するという目標を設定している。
 機構改革の目玉として設定した「輸出」については、28年度の130億円(予測)を31年度には約3倍の340億円にする予定だ。また、現在、約2000億円あるという加工食品の原料のうち約6割が輸入原料だといわれているが、これを国産へ「切替促進」することも、重要な取組項目として位置づけている。
 昨年秋以降、さまざまにいわれてきた「全農改革」だが、非常に短時間のうち、組織協議を積み重ね、具体的な目標とスピード感ある実行計画が提示されたといえる。
 あとは、粛々と着実に実践あるのみといえる。
(写真)29年度事業計画と「活力創造プラン」への対応策などを説明する成清全農理事長(3月28日記者会見で)

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