信用事業は総合事業の1つ-奥野全中会長2017年5月12日
JA全中の奥野長衛会長は5月11日、定例会見でJAの信用事業のあり方について「総合事業のなかのひとつの事業として対応していきたい」と話し、JA自己改革は総合事業の維持が基本との認識を示した。
奥野会長は日銀のマイナス金利政策が続くなかで金融機関の経営は今後厳しくなることが見込まれ、JAでも経営に課題を抱えることは「十分に想像できる」と指摘。ただし、信用"事業"という総合事業のなかのひとつの事業として対応していく必要性を改めて強調した。
とくに奥野会長は第27回JA全国大会決議で掲げた「創造的自己改革」がJAの総合事業の機能発揮を前提にしていることを指摘した。決議では持続可能な農業の実現と合わせ、「豊かでくらしやすい地域社会の実現」を掲げている。そのためにJAが地域で協同組合としての役割を発揮する姿をめざしている。
奥野会長は「信用事業や共済事業はくらしの分野に入ると思っている。とくに信用事業はJAのさまざまな事業のなかで、その資金を使うという必要性もある」と事業の意義を指摘した。
また、奥野会長はJAグループが協力・支援しているアジアの農村での農協づくりは組合員による共同貯蓄からスタートしていることも紹介した。
(一社)アジア農協振興機関(IDACA)はミャンマーでの農協づくりを支援しているが、それは耕耘機の共同購入に向けた貯蓄グループ活動から始まった。昨年10月には一部の地域で機械利用組合が発足している。
IDACAミャンマー事務所の平岡啓治所長は「利用組合としてスタートしたが、農作業機械化一貫体系を実現する営農組合を追求し、さらには購買・販売事業を行う協同組織(農協)に発展していくことを意図している」とレポートしている(IDACAだより・5月10日号)。
会見で奥野会長は「まず信用事業でお金を出し合ってそれを利用して新しい事業をつくっていくのが農協の原点」と強調していた。
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