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国民と共に食を守る JA東京中央会会長 須藤正敏氏2017年6月23日

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 JA全中が6月22日に開いた所信説明会でJA東京中央会会長の須藤正敏氏の主な発言は以下のとおり。

JA東京中央会会長 須藤正敏氏 昨日夕方、突然私の携帯電話に、安倍晋三ですという電話があった。明日の全中候補(所信説明会)がんばれよ、という話ではなくて実は明日(23日)から都議会議員の選挙ということぜひ農業団体をまとめて頼むよというお話だった。
 まさか総理大臣から電話が来るとは思わなかったが、たぶん、みなさんご存じのように一人勝ちだった安倍政権もここにきて綻びが出てきた。森友、加計学園、そして文部省が絡んでのスキャンダル的な問題になった、そういうなかでの東京都議会議員の選挙なので、そういうこと(電話)があったと思う。
 これまでの安倍政権が私たちJAグループにやってくれたこと、前の萬歳会長さんのときには平成26年6月、与党とりまとめががあって、そこに書かれたことは全中は一般社団法人にする、県中は連合会にする、さらにその後が続く。どういうことが続いたかというと、全中に対して監査権を放棄するのか、あるいは准組合員制度に制限をかけるのか、こういうことが今から2年数か月前に行われ、私もその席にいた。
 そして全国の組合長さん、会長さんは何を選んだか。残念ながら(全中の)監査指導を外出しにするということを選んで、今年の7月1日には新しい別法人をつくるというような運びになっている。 そういうなかでなぜ東京の会長が全中の会長に立候補したのか、とみなさん思っていると思う。これは東京でもどこでもいい。今、農協が置かれている立場は、まったく農協、協同組合の否定だ。
 国民の食、これをしっかり生産している組織に対して、農業とは直接関係のない規制改革推進会議の人たちがどんどん決めてしまう。こんなことおかしいだろう。自給率だって40何%をめざすといっていながら、TPPはトランプによって先送りになっているが、すぐにEUと経済連携協定、今月中にかなりのところまでいくという。
 このようにまったく日本の食というものを軽んじている今の政府に対して、みなさん、文句ない人はいないですね。私はそれで考えた。地方へ行けば農家の跡取り息子が他産業に行ってしまう。残った人たちは65歳以上。これからどうするのか、こんなことで本当にいいのか、と私は思っている
 TPPが実施がされるということで政府はあわてて補正予算を組んでいろいろなことをやった。たとえば畜産クラスター事業、これは大変に評判がよくて700数十の協議会ができて、最初の予算700~800億円だったのがその倍ぐらいの申し込みがあった。これは畜産を中心にしてそこに関係した産業は元気が出ると大変に評判がいい。
 もうひとつは産地パワーアップ事業。産地で効率のいい果樹に植え替える、あるいは加工工場をつくるということには2分の1を補助するという制度を政府はTPPの代替措置としてやってきました。
 でも本当にこれに乗って頑張ったときに、また次の貿易、とくに具体的にいえば自動車やIT産業、それの輸出のために農業が犠牲になってくる。これがずっと続いた日本の戦後の農政だ。こんなことをもう許せない。
 安倍さんは言う、地方に行くとそこに山があってその手前に水田があって、思わず息を飲み込むようなそのすばらしい景色を農業のみなさんが守っててくれると。言っていることとやってることはまったく違う。こんなことは私たちは許すことはできない。そういうことで私はここに立候補した。

  ◆   ◆   

 そういうなかでこれからどうしたら若い人たちが農業に就いてくれるか。諸外国をみると所得補償制度というのはどこの国でもやっている。たとえばフランスは農家の所得の94%は税金、イギリスも90%、ドイツも約7割、日本は39%、アメリカは32%。こういう所得補償をしっかりしないと新しい若い人は不安でできないし、農家のおとうさんだって息子に後を継いでくれとはいえない。
 ただ、それは私たち農家だけがいくら騒いでも農家のエゴだという評価で終わってしまう。私たち農家はだれのために食を作っているのか。多くの国民のみなさんのためだ。だから国民、消費者のみなさんにこの国がこのまま先に行ったらどうなるのか、ここをしっかりとJAグループが訴えていくということが絶対に大事だと思う。これをしなくては日本農業はあと15年から20年で崩壊。そんなことがあっていいわけがない。2050年には日本の人口は1億を切ると言われている。一方、世界の人口は今、90億を超すといわれている。日本では人口が減るが世界的には食料は足りなくなる。これがいちばん大事なところです。四季がはっきりしている日本の平均降水量は1300ミリから1500ミリ。こんなに素晴らしい日本が農業を軽んじていいのか。これからは農業者、そして国民のみなさん、消費者が一体となって日本政府に対して、しっかり日本の食を守ってください、食料安全保障、これをもう一度しっかり確認しましょうと、私はこの気持ちで今回立候補した。
 ところで、東京にいて日本の農業を分かっているのか、と。ここにいる人でも東京の農業を分からない人もいるし、北海道の農業を分からない人もいる。全部分かっている人などいない。私がもし会長になったときには本当に津々浦々、みなさんとともに農業をしっかり勉強する。
 私の女房も新潟県中頸城郡吉川町、今では上越市、JAえちご上越地域も百姓の娘。中山間地域でなかなか厳しい。結婚した40年ぐらい前は女房の親父と隣の家の親父が競って、いい米づくりにがんばっていた。ところが最近行ってみれば隣のお父さんは亡くなって、息子は他産業に行ってしまって、そこの田んぼをだれか作ってくれないかと言う。これが日本の縮図みたいなことになっている。私はこういうことがあってはいけないと思う。
 国が言うように農地の80%は大型の農家の法人が作ってもいい、でも、大事なことは本当に自分たちの地域を守ってきた家族農業、あるいは地域のみんながやる集落営農、これが混在した農業が日本農業を強くすると私は思っている。
 そういうなかで今、総合農協をやめろ、信用と共済を分離しろ、と言う。馬鹿なことをいってはいけない。日本の農水予算はこの数年2兆3000億円だ。これで足りるのか。私たちJAグループが一年間に生み出している事業総利益は1兆8561億(2015年)。そのお金があるから組合員さんの営農指導ができるし、いろいろな応援ができる。それを政府は農業に専念しろ、と言う。役人は何をやっているのか、農水省は何をやっているのか、現場を見てくれ、と言いたい。農協が一生懸命やって、営農指導員、TACの人たちが行って、農家にこういうものをつくればこう売るから、と話す。こういうことが農協の役割、ちゃんと果たしている。そこを私は声を大にして、安倍さんから昨日電話かかってきたから今度はこっちから電話をかけて言いたい。
 私たちのやっていることは決して間違っていない。当選のあかつきには日本農業のためにがんばる。農協がすばらしいと思うところは6年前の東日本大震災ではみんなが駆けつけて応援したことだ。昨年は熊本で地震があった。そのときもJAグループで応援した。まだまだ福島では原発の風評被害が払しょくできていないが、もっとJAグループが一丸となって風評に立ち向かっていく。これがJAグループの協同の力だと思う。一人は万人のために万人は一人のために。みんなでがんばろう。
 

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