京都の「万願寺甘とう」がGI登録-JA全農2017年6月26日
農林水産省は6月23日、新たに3産品の地理的表示(GI)を登録し、同日、関係者への登録証授与式を行った。
地理的表示(GI)保護制度は、地域で長年育まれた特別な生産方法によって、高い品質や評価を獲得している農林水産物・食品の名称を品質基準とともに国に登録し、知的財産として登録する制度で、今回の3産品で38品目が登録された。
新たに登録されたのは静岡県の「田子の浦しらす」(申請者:田子の浦漁協)、京都府の「万願寺甘とう」(同:JA全農)、茨城県の「飯沼栗」(同:下飯沼栗生産販売組合)。
このうち万願寺甘とうは、舞鶴市の万願寺地区で大正時代から栽培されていた「伏見とうがらし」の自然交雑で誕生した「万願寺甘とう」の在来種を基に、京都府が品種「京都万願寺2号」として育成したもの。産地は綾部市、舞鶴市、福知山市で種子の採種など品種の維持は産地の生産者部会とJA京都にのくにが管理してきており、この地域でしか生産できない。
"とうがらし"のイメージから辛さが想像されるが、辛み成分をなくした甘味種とうがらし。ピーマンのような肉厚な果肉を持つが、柔らかいため丸ごと食べられる。
京都として初めてのGI登録で現地ではJA全農京都府本部がJAと連携して品質管理と販売等を行っていることからJA全農が登録生産者団体となった。5月中旬から11月まで出荷できるという。現在、生産者は442名。昨年は560tを出荷した。
登録証を受け取ったJA全農京都府本部の宅間敏廣本部長は「生産者の励みになる」と話すと同時に、中山間地域が7割を占める京都府の農業にとっての特産品となっているほか、他の京野菜の生産を牽引するブランドとしても一層期待が高まると産地活性化のきっかけになればと期待を寄せていた。
「田子の浦しらす」は富士山や南アルプスの山々からの栄養豊富な水域で水揚げされ、形がよく透明でぷりぷりの食感が特徴。舟上での氷締め作業も徹底している。
「飯沼栗」は独自の栽培技術で1つの毬(いが)に1つの栗を実らせ、大粒の栗を作りあげた。冷温貯蔵技術により、甘さが増した時期に計画出荷している。
(写真)礒崎洋輔農林水産副大臣(中央)から登録証が授与された。右:JA全農京都府本部・宅間敏廣本部長、左:同農畜産部園芸課・田中淳平課長
重要な記事
最新の記事
-
持続可能な食と農へ 農中と農研機構が協定2025年4月23日
-
将来受け手のない農地 約3割 地域計画で判明2025年4月23日
-
ふたつの「米騒動」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月23日
-
鳥インフル対策 大規模養鶏は分割管理を 農水省2025年4月23日
-
米の生産目安見直し 1.7万トン増産へ 北海道2025年4月23日
-
県内国公立大学の新入学生を秋田県産米「サキホコレ」で応援 JA全農あきた2025年4月23日
-
「岐阜えだまめ」の出荷始まる 初出荷は80kg、11月までに700t出荷へ JA全農ぎふ2025年4月23日
-
いわて純情米消費拡大月間がキックオフ JR盛岡駅前でおにぎり配布 JA全農いわて2025年4月23日
-
2025いわて純情むすめ大募集 純情産地いわての魅力を全国に伝える JA全農いわて2025年4月23日
-
【JA人事】JA常総ひかり(茨城県) 堤隆組合長を再任2025年4月23日
-
食べ物への愛と支える人々への感謝込め ニッポンエールからグミ、フルーツチョコ、ドライフルーツ詰め合わせ 全国農協食品株式会社2025年4月23日
-
カレー、ラーメンからスイーツまで 「鳥取の魅力」詰め合わせ JA鳥取中央会2025年4月23日
-
大自然から生まれたクリームチーズ 昔ながらの手作り飴に 蔵王酪農センター2025年4月23日
-
千葉県柏市「柏市公設市場」一般開放デー開催 市内JAが初出店2025年4月23日
-
新茶の季節に「お茶フェア」産地直送通販サイト「JAタウン」で初開催2025年4月23日
-
緑茶用品種「せいめい」全ゲノム配列を解読 多型情報解析を可能に 農研機構2025年4月23日
-
AIとIoT、新規センサを活用 スマート畜産排水処理技術を開発 農研機構2025年4月23日
-
「サツマイモ基腐病を防除する苗床の土壌還元消毒SOP」第2版を公開 農研機構2025年4月23日
-
第11回京都市場伊賀産肉牛枝肉研修会開く 伊賀産肉牛生産振興協議会2025年4月23日
-
充実の装備と使い勝手の良さで計量作業を効率化 農家向け計量器2機種を発売 サタケ2025年4月23日