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GAPの第三者認証取得を支援-JAグループ2017年10月12日

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 JA全中は10月の理事会でJAの生産部会などがGAPの団体認証を取得する取り組みへの支援事業の実施を決めた。支援を通じて団体認証取得のノウハウを確立し、それをJAグループ全体で共有しGAPの取り組み水準の引き上げを図る。

◆食品業界のニーズに対応

 JAグループは適正施肥・適正防除を基本とした生産履歴記帳の実践を長年にわたり続けてきた。また、生産者の安全を確保する農作業安全対策、持続可能な農業に向け環境保全型農業の推進にも取り組んできた。
 こうした取り組みを包含するGAP(農業生産工程管理手法)への対応についてはJA全国大会決議にも盛り込み、第27回JA全国大会では、GAPの食品安全部分には30年度までに全JAで導入・実践を行うことを確認している。また、環境保全、労働安全を加えたGAP全般の取り組みについても県段階で検討が進められている。
 ただ、これまでにGAPは農水省が共通基盤となるガイドラインを示しているが、都道府県GAPや各JAが独自に取り組むGAPなどがあり、そして第三者認証をともなうJGAP/ASIAGAP、グローバルGAPとさまざまなGAPが存在する状況になっている。このうちグローバルGAPは、世界展開する食品業者400社余りが構成する組織によるGFSI(The Global Food Safety Initiative)承認を得ている。
 こうしたなか政府・与党は今年5月にGAP認証取得の3倍増加や、日本発のGAP認証制度のGFSIによる承認に向けて取り組むことなどを方針を示した。
 また、政府は、食品製造業における食品安全管理手法のHACCP(ハサップ、原材料の入荷から製品の出荷に至るまで全行程の安全管理)を業者に義務づける法案が30年の通常国会に提出する方針を示しており、成立すれば早ければ31年度から義務づけが実施されることになる。
 こうした情勢のなか、取引先に対してグローバルGAP取得など第三者認証によるGAPのもとで生産された農産物を求める動きも出ており、今後もそのニーズは高まることが考えられる。
 
◆団体認証のノウハウ取得

 そのためJAグループとして、JAの生産部会を中心に団体認証の取得を支援していく。
 GAPの第三者認証を受けるためにコンサルタントを現地に呼んでアドバイスを受け、その後に審査機関による審査を受ける。いずれも費用がかかるため、今回の支援は現地アドバイス部分についてはJAグループGAP支援チームから派遣して実施するというもの。また、現地アドバイスの実践を通じてGAPの実践イメージや団体認証の取得プロセスを具体的に伝えるための、生産者・JA職員向けのDVDやマニュアルなども同時に開発していく。
 あわせて全国のJA・県段階組織の職員を対象にGAPに関する指導者養成を目的とした講習会を開催するなど人材育成も行っていく。これらの取り組みを行うためJA全中にJAグループGAP支援チームを設置。当面の事業実施期間を32年9月までとしている。
 団体認証は事務局と生産者でGAPに取り組み、内部監査によって基準となる管理が実現できているかが確認され、個々の農場の審査負担は少なくなるとされる。認証を取得すれば取り引きにメリットを生むが、確実にその生産部会から出荷することが求められる。JA全中は「JAへの結集力を高める取り組みとしても期待できる」としている。

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