利用拡大する全農の「Z-GIS」2018年7月31日
JA全農は、農業生産規模拡大にともなう、ほ場管理や労働力確保などの課題について、省力化や農作業、農業経営の「見える化」に役立つ「農業ICTを軸とした技術革新支援」を実施し、次期3か年計画の大きな柱として位置づける予定だ。
その核となるツールが、全農が開発し、4月25日から運用を開始しているクラウド型営農管理システム「Z-GIS」だ。
7月26日の総代会後の記者会見で神出元一理事長は「最終形は先になるが」と断りながら、農家の農作業を楽にして、農業経営を「見える化」して、全体として経営を高度化するためのツールがいろいろ出ているが、この「Z-GIS」を軸に土壌診断データ、各種センサーのデータ、ドローンのデータ、経営管理のデータを蓄積し、「生産者の農地ごと、用途ごとにどういう営農をすればいいのかを提案していく画期的な仕組みなので、積極的に全国に普及をしていきたい」と述べた。
(写真)神出元一理事長
そして「クラウド型システムの利用を開始(お試し版)したところ、農業法人などを中心にダウンロード数は約3500に達し、利用拡大が進んでおり、今後さらに改良をおこない、農作業の効率向上・経営の高度化に寄与するシステム」とするとも述べた。
「Z-GIS」の利用申し込み窓口となり、全農をサポートしている(一社)農協協会の担当者によればすでにダウンロード数は4000件を超えて増え続けているという。
ICT技術を活用した農業生産への期待が、農業生産法人や大規模担い手農家で大きくなっており、全農が開発したシステムを核にした営農管理が今後の日本農業にとって欠くことのできないツールとなることは間違いないといえる。
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