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農山村の医療体制充実を 全厚連が総会で特別決議2018年8月1日

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 全国厚生連は7月31日、東京都内で第70回通常総会を開き、平成29年度の事業報告の承認と、消費税、医師の偏在、医師の働き方改革、診療報酬・介護報酬等に関する特別決議を採択した。

 決議の要点は次の通り。

 

 ▽消費税に関して
 医療機関においては、社会保険診療報酬および介護報酬が非課税であり、仕入れにかかる消費税を患者・利用者に転化することができず、経営圧迫の大きな要因となっている。
 医療機関の消費税負担については、これまで診療報酬等の引き上げによって対応してきたが、補填が十分でないうえ、医療機関の規模や機能等によって補填にバラつきがあり、公平性や透明性を欠くものである。政府は医療機関が消費税を負担している現状や税の公平性に反していることを認識し、医療機関の消費税負担を早急かつ根本的に解決すること。

 

 ▽医師の偏在に関して
 地方やへき地の救急をはじめとする中核的な医療を担う厚生連病院では、医師不足が大きな問題となっている。医師不足の最大の要因は医師の地域間、診療科間、病院・診療所間の偏在にある。
 さしあたっては、今般成立した「医療法および医師法の一部を改正する法律」における、(1)医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度の創設、(2)都道府県における医師確保対策の実施体制の強化、(3)医師養成過程を通じた医師確保対策の充実、(4)地域の外来医療機能の偏在・不足等への対応等を着実に実行し、偏在が解消しない場合には、開業制限等も含めた抜本的な対応を検討すること。

 

 ▽医師の働き方に関して
 現在、厚労省で医師の働き方改革の検討が進められているが、医師不足の医療機関にまで一律で時間外労働規制が適用されると、地域の救急医療体制等が崩壊しかねない。拙速に医師の働き方改革を進めるのではなく、5年、10年後という長期的視点で、地域医療と医師の健康を両立できる対応ついて十分な検討を行うこと。

 

 ▽診療報酬・介護報酬に関して
 農山村地域においては、医療・介護提供体制の確保等に相当のコストがかかっていることから、農山村地域に十分配慮した診療報酬・介護報酬に見直すこと。

 

 ▽医療提供体制に関して
 地域包括ケアシステム構築のためには、機能に応じた病院間、病院・診療所間、医療・介護間等の連携が不可欠だが、地域によっては連携先が少なく、病院完結型の医療を提供せざるを得ない場合もあり、画一的な対応であってはならない。医療資源や人的資源の豊富な一部地域でしか実行できない方策を押しつけることなく、地域ごとに実現可能なシステムを構築すること。

 

 ▽検診車における医師の立ち会いに関して
 平成26年に診療放射線技師法が改正され、医師が立ち会わない場合も、検診車で胸部X線検査を実施できるようになったが、乳房X線検査等では医師の立ち会いが必要とされている。医師の包括的管理、緊急時の連絡体制の整備や精度管理などが十分に行われることを条件に、医師の立ち会いが不要な巡回検診の範囲を拡大すること。

 

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