地域密着のJAに学ぶ「水と緑と食」のJA愛知東 農協研究会2018年9月10日
農業協同組合研究会(代表=梶井功・東京農工大学名誉教授)は、9月8・9日、愛知県のJA愛知東で現地研究会を開いた。
愛知県のJAの中では山間地にあり、水と緑と食を活かし、地域に密着した事業・活動を展開している。現地における研究会は13回目。同JAの河合勝正組合長、同JA助け合い組織「つくしんぼうの会」の荻野孝子会長が、報告した。
(写真)河合組合長がJAの事業・活動を報告した研究会
河合組合長が「JA経営はあくまで組合運動の手段であり続けたい」のテーマで報告。同JAは正組合員約8000人、准組合員約6500人で、管内世帯の60%が組合員になっている。天竜川、豊川、矢作川の3本の一級河川の源流域で、豊かな水と緑を活かした農山村づくりに取り組んでいる。同JA運営の基本方針は、(1)自主・自律・互助を基本的な理念に、倫理観の高い組織体の実現、(2)農業・農村をいかにして守っていくのか、(3)地域、組合員にとって本当に必要な事業の洗い出しの3つ。
その基本は「資本力に支配されない調和を目指した生活の形を実現する農山村づくりにある。家族愛・地域愛・自然愛の深い人々の集まりを大事にしたい」と、農山村を抱えたJAとして、その路線は明確だ。
(写真)「四谷の千枚田」を視察する参加者
JAの方針を実現するため、河合組合長は組織力強化の必要性を強調。「組合員の願いをかなえる手段の一つは組織をつくることであり、組織力が高まれば事業力も高まる」と指摘した。同JAの組織力を高めているのが助け合い組織「つくしんぼうの会」だ。
平成10年、51名で発足し、「元気なお年寄りを作ろう」を合言葉にミニデーサービスや、地元食材を使った手作り弁当、市民病院院内ボランティア、商品開発などさまざまな活動を展開している。特に弁当は好評で、年間4000~5000に達する。また「もったいない」から始めた、地域の産物を使った農産加工品も多く、JAの直売所で人気商品になっている。
荻野会長は「商品開発は、自分たちの思いだけでなく、買う人の身になって考えることが大切」という。この気持は「利用者は常に人生の先輩であるという意識をもって接しましょう」、「お互い相手の思いやる気持を持ちましょう」という、「つくしんぼうの会」の行動指針にもなっている。
研究会はトマト選果場、新規参入のホウレンソウ農家、「四谷の千枚田」を視察し、戦国時代に織田・徳川氏と武田氏が雌雄を決した長篠の闘いの設楽原古戦場を見学した。
重要な記事
最新の記事
-
米価 過去10年で最高値 60kg1万5865円 対前年比114%2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(2)DX戦略にも地域色拡充2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(3)JAは食・農の好循環先導を2024年7月17日
-
「小さな協同」実践 JA松本ハイランドの自己改革 新世紀JA研究会全国セミナー2024年7月17日
-
「きっトラ」と「もし寅」【小松泰信・地方の眼力】2024年7月17日
-
【訃報】生活クラブ生協連の加藤好一顧問が逝去2024年7月17日
-
【人事異動】農水省(7月16日付)2024年7月17日
-
【注意報】ナシ、ブドウなどに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 三重県2024年7月17日
-
ガチャピン・ムックとコラボ「ニッポンエール」グミ発売 JA全農2024年7月17日
-
日本農業の未来をけん引する人材育成へ 宮城県加美農業高校とNTT東日本グループが連携2024年7月17日
-
唐沢農機サービス「夏の大展示会」開催 200台を超える農機具を展示2024年7月17日
-
【注意報】大型斑点米カメムシ類、カスミカメムシ類による斑点米発生に注意 千葉県2024年7月17日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岩手県2024年7月17日
-
「第3回 全国桃選手権」開催 全国から45品がエントリー 日本野菜ソムリエ協会2024年7月17日
-
ハウス栽培向け環境制御システムのラインアップを拡充 クボタ2024年7月17日
-
【役員人事】石巻埠頭サイロ(4月1日付)2024年7月17日
-
葉の光合成速度の低コスト・低労力・高速推定法を開発 農研機構2024年7月17日
-
表参道で佐賀県産「いちごさん」絶品ひんやりスイーツ「いちごさんどう2024夏 」開催2024年7月17日
-
長野県塩尻市と山口県岩国市の歴史的風致維持向上計画を認定 農水省など2024年7月17日
-
生とうもろこしまるかじり 昭和村で農業体験開催 パルシステム群馬2024年7月17日