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農作業でストレス軽減 実証調査を実施-JA全中2018年11月21日

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 JA全中は農作業によるストレス軽減効果を実証する調査を11月17日に東京・練馬区の体験農園で行った。(※文中内の写真をクリックすると大きな写真が表示されます)

調査について説明を受ける農園利用者 体験型農園は、▽農園側が農具や種苗、肥料などを準備し、▽定期的な栽培指導で作物づくりを体験、利用者参加のイベントも実施する貸し農園のこと。JAグループはこうした条件を満たした体験型農園の普及に平成28年度から取り組んでいるが、体験型農農園の価値のひとつとしてストレスの多い都会生活のなかで農作業がその軽減に効果があるかを実証しようと、順天堂大学医学部とNTTデータ研究所の協力を得て、このほど調査を実施した。

(写真)調査について説明を受ける農園利用者

 

園主の加藤さん。栽培のアドバイスを受けている利用者は杉並区から通っているという。 農園は練馬区の「百匁の里」。園主の加藤正明さんが13年前に開設した。2つの畑を合わせて70aの広さだ。この日は利用者ら40名が調査に協力し、農作業前と後で唾液を採取したり、農作業中の心拍数や血圧などを記録した。 作業は収穫作業中心。利用者はダイコンやニンジン、葉物野菜などの収穫に励んだ。
 13年前の開設時から利用している野村清美さん(76)は、以前は市民農園を借りていたこともあるが、農具や種は園が用意し栽培指導もあるこの体験農園に申し込んだ。「自分で種を播いて、発芽のときは感動します。穫れたての野菜の味は違う。農園通いをしなかったら、こんな体験味わえなかったと思います」と話す。苦労もあるが定期的に通い「生活にメリハリができました。1年経つのが早いです」と笑う。利用者同士で話しも弾むという。

(写真)園主の加藤さん。栽培のアドバイスを受けている利用者は杉並区から通っているという。

 

大勢の人が農作業に励んでいた 園主の加藤さんによると利用者には港区や品川区、江戸川区在住者もいるという。
 「みなさん目的意識をもって農園に来ます。新鮮なのは当たり前。うまいものを作ることを目標に指導しています。種から育つのを自分の目で見届ける生活に潤いを感じている人は多いと思います」。
 順天堂大学医学部緩和医療学の水嶋章郎教授によると、多ストレス社会の現代は、気分の落ち込みやストレスの緩和などが医療にとっても大きな課題で「作物を育てる、あるいは収穫することが、生きがい、やりがいにつながる」として都会のなかでの農作業体験に注目する。
 今回の調査結果は来年2月末までにまとめられる予定。JA全中によると体験型農園は食育や健康経営などの観点から保育園や企業などの法人が利用する事例も増えているという。今回の研究結果を企業などにアピールし、体験型農園の価値を発信し普及を広げていきたい考えだ。
 百匁の里は1区画30平方メートル。利用料金は種などの代金をすべて含めて練馬区在住者で年間3万8000円(区外在住者は5万円)。年間40種類以上の作物を栽培する。

 

(写真)大勢の人が農作業に励んでいた。

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