米国で農業団体総会など視察-JA全青協2019年1月17日
JA全青協(全国農協青年組織協議会)とJA全中は1月13日から米国でJA青年組織新任役員研修を行っている。出発前の12日には成田で事前研修を行った。
事前研修会ではJA自己改革をめぐる状況と経済、共済、信用それぞれの事業の最近の取り組みについての講義と米国研修での参加者の役割分担などを話し合った。
JA全青協の今野邦仁副会長は5月の農協改革集中推進期間の期限を前に、JA全青協も各都道府県組織と連携してJAが総合事業であることの意義を理解する取り組みを進めているとして、米国での先進農業地や米国農業団体などの視察とともに、「この機会を通じてJAグループの強みを再確認し盟友への理解を広げてほしい」と研修の意義を強調した。
研修会ではJA自己改革をめぐる情勢をJA全中青年女性対策課の高山靖弘担当課長が話した。
(写真)あいさつする今野副会長
自己改革は組合員との徹底した話し合いと進捗管理、さらに改革について組合員がどう評価しているかを把握することが重要で、期限まで改革を確実に実施するとともに、成果の見える化も大切になると指摘した。
JA全農の事業については耕種総合対策部TAC推進課の村山正氏が説明した。営業開発部やフードマーケット事業部など、産地と実需者、消費者を結ぶバリューチェーンの構築に力を入れていることや、担い手を支援するTAC活動の取り組みなどを紹介した。29年度は266JA1788名のTACが約7万9000戸の農業経営者に訪問・面談活動を約65万回実施した。TACを通じて担い手に対して営農指導から販売・購買、信用・共済までJAグループの総合力を発揮していることも強調した。
共済事業についてはJA共済連の農業リスク事業部企画調査グループの原田達也氏が農業リスク診断活動を紹介した。農業者を取り巻くリスクを診断したうえで、備えを確認し、それが不十分な場合はJA共済・共栄火災が一体で対策を提案している。28年~29年度では8万7521の農業者・経営体に対してリスク診断を実施した。
また、共済金支払いデータを分析し独自に農作業事故の実態を把握した。農水省調査では死亡事故が年間300件程度発生しているが、傷害事故を含めると年7万件発生していることが分かった。JA共済連ではヴァーチャル機器を使うなど農作業事故の未然防止につながる活動なども検討していくという。
また、農林中央金庫の食農ビジネスの取り組みについて同営業企画部戦略企画グループの松嶋基以氏が紹介した。担い手の成長・発展ステージに合わせた資金供給や、6次化ファンド、輸出促進などの事業や、農業経営者育成支援の取り組みなどを解説した。
(写真)グループに分かれて役割分担などを確認する参加者
今回の米国研修は大規模農業者や企業が会員の中心である米国ファームビューロー連盟(AFBF)の総会と若手農業者の討論会視察、関係者との意見交換、全農グレイン本社の視察、カリフォルニアの農場視察などを行う。
28年度研修でAFBF総会を視察した千葉県農協青年部協議会の平野一裕参与はAFBFについて話した。
同連盟は全50州の約600万人の会員が加盟。総会では農機具メーカーが大型農機などを展示するという。青年農業者による討論会は「移民政策」がテーマだった。豊富な知識と高いコミュニケーション能力が印象に残ったという。政策提案集であるポリシーブックについても総会で修正など議論する。100年前からの活動で今では400ページ近い政策提案集となっているという。
(AFBF総会など研修については後日掲載)。
(関連記事)
・盟友自らが行動を ポリシーブックもとに-(18.05.24)
・【全国農政連予備選挙候補者に聞く】黒田栄継・元全国農協青年組織協議会会長(18.05.18)
・会長に水野喜徳氏 JA全青協(18.03.15)
・【事業承継で農業青年組織トップ座談会】経営者世代から後継者世代へ確実なバトンパスを(前編)(18.03.01)
・JA全国青年大会「今こそ協同の力」発揮を(18.03.01)
・【インタビュー・全国農協青年組織協議会 飯野芳彦会長】農地を農地として、地域を地域として、次世代に引き継ぐ(18.02.21)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日