労働力支援を核に地域農業を振興 JA全農2019年6月21日
神出元一理事長が決意を語る
JA全農の神出元一理事長は6月20日、東京・大手町のJAビルで、これからJA全農が力を入れて取り組む「地域農業の振興を核にした地方創生の取り組み」についてメディア向け説明会を行った。
労働力支援・農泊について熱く語る神出理事長
神出理事長は、説明会の冒頭で、大分県・安心院(あじむ)で3月16日に開催された「未来ある村 日本農泊連合結成記念シンポジウム」で自身が行った講演を踏まえ、農泊の取り組みに「JA全農の取り組む労働力支援がプラスされれば、農泊しながら農業参加することで、副収入を得られ旅行者や移住希望者の滞在期間における宿泊費用・食費を軽減でき長期の滞在を可能とする」など長期滞在型旅行(農泊)の普及の重要性を語った。
JA全農は、3月に決定した3か年計画で、農業総産出額を計画的に拡大させる事業を展開し、それによって全農の取扱高も3年間で3300億円増やすこととしている。
わが国の人口減少が進む中で、地方・農業で急速に高齢化が進み、耕作放棄地が拡大するとともに農業産出額も次第に低下する傾向にある。
こうした中で、農業法人経営体の拡大や若い世代の就農者が3年連続で2万人を超えるなど明るい兆しも見えている。
これまで全農は自己改革などに真剣に取り組み成果を上げてきた。さらに5年後、10年後を見据えたJA全農の地域農業振興戦略に取り組み、安全・安心でおいしい国産の食料の安定供給を実現する。
そのための3つの重点施策として
(1)生産性を向上させる新技術、(2)労働力支援、(3)ICTの活用により地域農業生産振興と生産基盤の確立を実現することとしている。
とりわけ農業労働力の不足は深刻で、生産者にとって人手が足りないために農業を続けられなかったり、栽培面積を拡大したいができない、といった問題がある。
そこで全農は、JA全農大分県本部が実施している「労働力支援」の仕組みをもとに地域・全国で労働力支援の仕組みをつくっていく。すでに大分・福岡・佐賀では広域の労働力支援がスタートしており、さらに全県に労働力支援の拠点を設置する予定だ。
さらにJAグループのネットワークを活用して「農泊」の取り組みを支援し、「モノ消費」だけではなく、農業体験など「コト消費」に関心をもつ外国人を含めた旅行者を招来することで、地域の活性化をすすめていくことにしている。
神出理事長は、この農業労働力支援を核に農泊や農福連携、異業種間連携、さらに地域住民・准組合員の労働力参加などの取り組みは、新規就農・農業への参加のハードルを下げることにつながり、「元気な地域社会づくり」となるとし、これを「JA全農の想い描く、地方創生スキーム」として示した。
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