中小・家族経営の維持・拡大を-JAグループ 畜酪対策で基本的考え方2019年7月4日
JAグループは6月の全中理事会で「次期酪肉近および令和2年度畜産・酪農対策に関するJAグループの基本的考え方」を決めた。次期酪肉近(酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針)の策定に向けては、中小規模・家族経営の生産基盤の維持・拡大の必要性を「明確に位置づける必要がある」と主張していく。
今年は概ね5年ごとに見直すとされる食料・農業・農村基本計画の検討が始まるが、畜産・酪農については、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律に基づき、「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」を定めている。この酪肉近も現行基本計画と同じ平成27年3月に策定されていることから今年見直しの議論が行われる予定となっている。
このためJAグループとして基本的な考えをまとめ、審議の場となる食料・農業・農村政策審議会畜産部会で主張していく。
柱のひとつが「国内生産量の拡大と食料自給率の向上を前提とした基本方針の策定」だ。わが国の畜産物需要は堅調に推移しているが、国内生産基盤の弱体化とTPP11、日欧EPAの発効による輸入の増加で、畜産物自給率は低下傾向で推移している。
一方で世界的な人口増加と肉類需要の増加とともに、世界的な異常気象と災害の多発で将来的には国民への畜産物の安定供給に支障きたす恐れがある。
このため国内の畜産物需要は極力国内生産でまかなうことを基本に、生産目標を設定する設定するほか、飼料自給率の向上に向けた新たな飼料対策の検討を盛り込むべきだと主張する。
また、中小規模・家族経営は、わが国畜産・酪農分野の基本的な経営形態で、畜産物の生産のみならず、地域経済や地域コミュニティの維持などに重要な役割を果たしているとして、次期酪肉近においては規模拡大のみならず、中小規模・家族経営に焦点を当てた施策の推進を盛り込む必要があると提起する。
同時に国際化の進展にともなう関税率の引き下げなど、将来的な環境変化を見通したうえで、主産地や非主産地、中山間地域や都市近郊地域など、それぞれの地域における持続可能な経営の姿や、生産者、JA、行政関係者が果たすべき役割などを示し将来ビジョンを明確にする必要があるとしている。
そのほか、畜産クラスター事業などによる長期継続的な支援とあわせ、TPP11などの協定発効後の影響、日米交渉の動向などをふまえ、TPP等関連政策大綱の検証、新たな対策の検討が必要だと強調している。
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