片山善博元総務大臣 家の光トップフォーラムで講演 2019年8月2日
農業とJAが地方創生に果たす役割に期待
(一社)家の光協会と家の光文化賞農協懇話会が横浜市内で開催した「家の光文化賞JAトップフォーラム2019」の2日目の8月2日に行われた、早稲田大学公共経営大学院の片山善博教授による記念講演「真の地方創生と地域の未来」で、片山氏は、「これまでの地方創生はこのままやってもうまく行かない。地方の人口減少は解決しない。どうやって地方の雇用に結びつく生産性の向上を実現するか。地域からお金が出ていかないよう、地域で真剣に考えてほしい」とJAの役割への期待を述べた。
同フォーラムの2日目は、「創造的自己改革の実践を着実に進めるために?アクティブ・メンバーシップの確立に向けていかに教育文化活動に取り組むか?」をテーマに、北川太一福井県立大学教授をコーディネーターに、JAみやぎ仙南の浅野清代表理事組合長、JAぎふの櫻井宏代表理事組合長、石田正昭京都大学学術情報メディアセンター研究員および家の光協会の関口聡代表理事専務がパネルディスカッションを行った。会場のJA組合長らの発言を交え、教育文化活動の重要性を浮き彫りにした。
その後、北川教授が2日間のフォーラムの振り返りを行った。
農家が減り、農業経営体が120万戸を割り込むなかで国が進めてきた大規模化が限界に達している。小規模農家の離農も進み、大規模農家が農地を引き受けられない事態が生じている。北川氏は「地域農業と多面的機能をだれが支えていくのか、JAが最後の砦になっている。『農』に関わる人たちを仲間にし、いかに増やして行くかが問われている。対話運動は成果を挙げているが、JAの内部だけでなく生協や中小企業とも協同の仲間として積極的に対話をしていくことが必要。国や行政、民間企業ではできないJAの役割がある」と結んだ。
元鳥取県知事・元総務大臣の早稲田大学公共経営大学院教授の片山善博氏による記念講演が行われた。
講演の中で片山氏は、「これまでの地方創生はこのままやってもうまく行かない。地方の人口減少は解決しない。」と指摘。東京に人口が集まるが地方では人口減少が進んでいる。買い物難民や鳥獣被害の問題は大きい。国をあてにすることは間違いで、地元のことは地元をよく知る自分たちで主体的に考えることが大切。どうやって生産性を向上させるかがポイントとなる。公共事業をしても技術力のある大手ゼネコンが儲かるが、地方の下請け・孫請けの業者は利益が出ない、これでは低賃金で地元に若い人は残れない。
一足飛びにはいかないが、地方の技術力を高め、付加価値を高めるためには努力の積み重ねが大切と指摘。また「種子法を廃止したことは間違いで種子業者が儲かるが農家は種子代のコストがかかり儲からない。国会議員は無知識だった。これはゼネコンの下請け構造と同じ」と明言した。また、地域からお金が出ていくことが問題だから石油を使うエネルギーを押さえ、畜産ふん尿のバイオマス発電、小水力発電、太陽光発電、木質バイオマス発電といった一つひとつは小さなものだがそれを集めることで大きな経済効果につながるなど、JAにもできることがないかを真剣に考えてほしいと、JAの地方創生に果たす役割への期待を語った。
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