家計簿の自家生産物の活用額記帳は17%弱に 家の光協会2019年8月20日
(一社)家の光協会は7月に「家の光家計簿」への記帳者を対象に行った2018年「農家の家計実態調査」の調査結果を公表した。
JA全国女性組織協議会と家の光協会は、1978年から「家計簿から見た生活実態調査」を実施し、暮らしに数字を生かす運動に取り組んできた。それを引き継ぐかたちで、家の光協会は、1994年から「家の光家計クリエーター」として「家の光家計簿」の記帳者をつのり、家計記録の収集と集計を行ってきた。そして2006年からは、JA全国女性組織協議会と協力し、この調査を行っている。
2018年調査は、18年12月?19年2月の間で実施し、調査票を郵送で配布・回収する方式で行ったが一部「家の光ネット」によった。有効回答250票が回収され、集計・分析を行った。調査協力者は女性が9割近くを占め、平均年齢は61.8歳で、最も若い23歳から最高齢は94歳と年齢の幅は広い。
調査協力者全体で見ると、総収入額(農業収入、農外収入、その他の収入の合計)は前回調査からやや増加した。その一方で、総支出(家計支出、農業支出・農外支出・租税、貯蓄・投資・返済の合計)は前回から減少した。可処分所得(総収入額から農業支出・農外支出・租税を除いた額)を見ると、前回から20万円以上増加した。その中で、家計支出も前回から約9万円増加した。
農家世帯(農業収入が年間15万円以上ある世帯)の割合は36.0%で、同世帯に限って見ると、総収入額、総支出額ともに大幅に減少している。また、可処分所得額も前回から減少した中で、家計支出額は増加している。
「家の光家計簿」の特長であるが、「自家生産物」を家計の一部として活用し、その活用額を家計簿に記帳している世帯は16.8%と2割を下回り、この5年間でもっとも低くなった。
自家生産物活用額を家計簿に記帳している世帯における自家生産物活用額(家計の一部としての活用額)は年間約13.8万円で、前回を3万円近く上回った。なかでも農家世帯の自家生産物の家計としての活用額は約18.3万円で前回からは4万円近く増加している。
なお、家計支出総額に占める自家生産物活用額の割合は4.4%で前回を上回った。農家世帯では5.5%で前回から上昇した。
また、調査結果報告書には、自家生産物を活用している調査協力者の声が紹介されている。
「自家生産物の利用で家事も短時間ですみ、買い物に行く回数も減らせ、『買ったとしたら』の数字をみるとうれしくて、また来月もがんばろうという気になります。そのために畑を目いっぱい使い、今年は黒豆と、生まれて初めてアズキを作り、正月料理にとても役立ちました。(山梨県・68歳)」
重要な記事
最新の記事
-
JA共済連が新3カ年計画 協同の力で組合員・利用者との関係強化へ 令和7年度は新展開のスタートに2025年3月18日
-
備蓄米 政策効果なければ追加放出 江藤農相2025年3月18日
-
備蓄米放出でも消えぬ不足感(下) 米不足の恐れ、昨年より早く 「需給見通し」外れる背景は2025年3月18日
-
10月限がストップ安になったコメ先物市場【熊野孝文・米マーケット情報】2025年3月18日
-
風味豊かな落花生 たばこの輪作で栽培広がる JAはだの2025年3月18日
-
信州・中野はきのこ王国 トップクラスの生産量と品質誇る JA中野市2025年3月18日
-
出荷できないリンゴ活用 濃厚な甘さととろける口どけ JAながの2025年3月18日
-
鈴生と津田物産がJ-クレジット活用で協業 "温室効果ガス実質ゼロ"米づくりを拡大へ 農林中金がマッチング2025年3月18日
-
経営を可視化し事業拡大やJAとの関係も強化 担い手コンサルコンペティション 農林中金2025年3月18日
-
陸上養殖「おかそだちサーモン」販売店舗を一部変更 コープデリ2025年3月18日
-
栃木県に「コメリハード&グリーン岩舟店」3月29日に新規開店2025年3月18日
-
山形県南エリアに「農機具王 山形上山店」4月1日オープン2025年3月18日
-
埼玉県 3年連続で「プレミアムいちご県」に認定 日本野菜ソムリエ協会2025年3月18日
-
健康診断・血管年齢が気になる人へ「血管サポートヨーグルト」新発売 協同乳業2025年3月18日
-
TNFD事務局が日本担当設置し栗野佳子氏が着任 TNFD日本協議会2025年3月18日
-
三井化学グループ、インドにコーティングテクニカルセンターを設立2025年3月18日
-
【人事異動】エス・ディー・エス バイオテック(4月1日付)2025年3月18日
-
米粉のグミ「もちきゅあ」和グミとしてリニューアル発売 三幸製菓2025年3月18日
-
農泊総合情報プラットフォーム「FARM STAY Japan」公開 日本ファームステイ協会2025年3月18日
-
鳥インフル ネブラスカ州、メイン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年3月18日