JA営農・経済フォーラムを開催-JA全中2019年8月28日
JA全中は8月27日、福岡市で第5回JA営農・経済フォーラムを開いた。4JAが地域特性や課題をふまえた営農経済事業の取り組み事例を報告。JAの役職員約140人が参加し課題を共有した。
福岡市で開催された第5回JA営農・経済フォーラム
今年3月の第28回JA全国大会では、今後3年間でJAの総合事業の強みを発揮し、部門・部署の横断的連携で、担い手への多様なニーズへの対応が可能な営農・経済事業実践体制を構築するなどを決議している。
フォーラムではJA全中から、組合員のニーズに対応しJAの事業伸長と経営基盤を強化するために、▽産地づくりと実需を意識した販売力の強化、▽営農指導員の専門性の高度化などが課題として挙げられた。
兵庫県のJAたじまの山下正明常務は、売れる米づくりに向けた取り組みを報告した。同JAは栽培方法と地域の違いなどで19アイテムのコシヒカリを販売。売り先が確保された契約栽培の拡大を進めている。
「売る」ための人材育成として支店次長を米穀課長に任命したほか、トップLAを米穀課の販売担当に任命するなど体制づくりと、役員によるトップセールスを実践している。同時にJAの未利用・低利用の担い手にTACが対応し、コシヒカリ以外に作業分散ができる多収米の栽培提案を行うなどで集荷量の増加につなげている。
徳島県のJAかいふの濵﨑禎文代表理事組合長は「きゅうりタウン構想」実現に向けた取り組みを報告した。地域で進む農家の高齢化と人口減少のなかで、JAは行政、大学、企業などを連携した促成キュウリを核とした地方創生をめざし、きゅうり塾を平成27年に開講。都会からの移住者などが研修生となり、3年間で22名の塾生を受け入れ、13経営体16名が就農した。農家の平均年齢が65.5歳から54歳への若返った。反収の増加など技術の向上で、全国有数の産地づくりをめざしている。浜崎組合長は地域とキュウリ栽培の魅力を発信するPR活動にも力を入れている。
岡山県のJAつやまの中西直政代表理事専務はJAと全農の協同運営方式による資材店舗「JA-CAT」の取り組みについて報告した。平成29年にこの方式による全国1号店をオープン。メリットは品ぞろえの充実、土日、休日対応、専門職員による技術指導サービスの向上など。JAならではの栽培講習会への参加者も増えている。購買店舗集約と物流合理化による収支改善効果も出ている。中西専務はやる気とコミュニケーション能力のある職員の起用が大事などと述べた。
鹿児島県のJA種子屋久の西村俊夫参事は「農家経営支援センター」にについて報告した。平成30年に農家ニーズにワンストップで対応できる体制として同センターを立ち上げた。参事直轄の部署として、営農企画関係の業務を一手に引き受けている。農家の声を収集する活動から実施し、地域のニーズに応じて集落営農組織の立ち上げを支援するなど課題解決にあたっている。経営のカウンセリング、雇用対策などでも支援し組合員からは「相談しやすくなった」との声も。今後は販売も含めた幅広い知識を持つ担当者の育成が課題だとした。
29日は東日本地区のJAを対象に東京で開催される。
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