「今金男しゃく」のGI登録でブランド力強化 JA今金町2019年9月13日
北海道のJA今金町が申請していた「今金男しゃく(いまかねだんしゃく)」が地理的表示(GI)保護制度に基づく新たな登録産品として、9月9日付で登録された。
「今金男しゃく」は、同JAが出願し、2018年3月に特許庁が地域団体商標に登録査定しており、今回のGI登録と合わせ、より一層のブランド競争力強化が図られた。
GI登録商品となった「今金男しゃく」
「今金男しゃく」は、北海道瀬棚郡今金町および久遠郡せたな町で生産される。白色で美しい外観とデンプン含有率が13.5%以上の安定した品質とホクホクした自然にとける舌触りが特徴の男爵品種のバレイショ。厳しい選果基準を設け、形状や外観が良いため、市場では品質、食味ともにトップクラスと評価されている。
北海道の東南に長く張り出す渡島半島の付け根に位置する生産地は、昼夜の寒暖差が大きく、水はけが良い肥沃な火山灰地の土壌がバレイショの栽培に適している。同地では明治24(1891)年からバレイショの栽培が行われてきた。戦後間もない1953年からは、バレイショの栽培を男爵1品種に絞り、55年には「今金男しゃく」の名前でブランドを確立した。
67年からは種子馬鈴薯農家を区別するなど、長年にわたって地域で品質向上に取り組んできた。また、同地域は丘陵地が多いことから作付面積と収穫量も限られ「幻の馬鈴薯」「ジャガイモの最高級品」と評されている。
GIは、地理的表示法に基づく登録制度であり、登録された生産地や品質などの基準を満たした産地は、地理的表示(GI)を使用することができる。その際、地理的表示と併せて「GIマーク(地理的表示法に基づく登録標章)を使用することができ、地理的表示産品であることをアピールできる。
JA今金町ではこのGIマークを印刷した出荷用の箱などを作成中だ。
申請を行った同JA営農部販売課の菅原義高さんは、「ブランドには歴史が深く関わってくる」と話す。去年の5月に申請書類を農林水産省に提出したが、申請に当たって申請内容がすべて事実であるという裏づけ資料が必要だった。53年に品種を男爵1品種に統一した当時からの古い資料が必要だったが、「昔のことなので裏付け探しが大変だった。だが、先輩たちがきちんと会議資料などを残してくれていたので助かった」という。
地域団体商標とGIという強力なブランドを獲得したJA今金町の営農経済事業とブランド戦略から目が離せない。
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