人事2024 左バナー 
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
ヘッダー:FMC221007SP
FMCプレバソンPC
FMCプレバソンSP

JAの体力 じわり低下 「営農経済」立て直し急務 総合農協統計表等から2019年11月8日

一覧へ

 経営の赤字を信用・共済事業で補うことが問題視され、全国のJAは営農・経済事業の赤字体質からの脱却に取り組んでいるが、実態はどうか。JA全中の報告資料と農水省の平成29年度総合農協統計表をもとにした資料から実態をみる。それによると経済事業の黒字は全JAの約2割の122JAで、6割が北海道のJAが占める。営農指導事業に限ると黒字JAでもその半分が赤字となっている。頼みの綱の信用事業は、運用難から預け金による信連・農林中金への依存度を強めている。共済事業も長期共済保有契約高が毎年減少を続けており、営農・経済事業の改革による経営基盤の強化が求められる。

 総合JAの経営は、平成17年度以降、購買・共済事業などの事業総利益の減少で、事業総利益全体が減少傾向にある。このため多くのJAは事業管理日の削減によって事業利益を確保しているのが実態である。

 一方、直近の事業総利益は、共済事業の利益が横ばいのなかで、これまで比較的安定的に推移してきた信用事業総利益が減少に転じており、さらに購買・販売事業の利益が減少するなどで、全体として28年度、29年度は連続して減少した。
 この結果、29年度の事業利益は、事業管理費の削減が事業総利益の減少を下回ったことから前年に比べ▲6.3%の減少になった。多少の変動はあるが、この傾向は10年以上続いており、徐々にJAの体力の低下を招いていることがうかがえる。
 事業別にみると、信用事業は、JA貯金が右肩上がりで拡大する一方で、他業態との競争が激しくなり、JAの貸出金残高・貸出金利回りが減少。貯貸率も平成19年度の27.0%から29年度までに21.3%に5.7ポイント下がった。このため預け金による信連・農林中金の市場運営への依存度を強め、平成25年度は預け金利息が貸出金利息を上回り、28年度には資金運用収益全体の約6割に達した。
 一方、運用収益をJAに還元する「奨励金」は、日銀のマイナス金利政策や米国の金利上昇によるドルの調達コスト増加によって厳しい運用を強いられており、農林中金は平成31年の3月から4年かけて段階的に引き下げる方針を明らかにしている。
 共済事業も厳しい環境にある。契約者の保障ニーズなどの変化で、長期生命共済保有契約高が毎年▲2.5%前後、共済付加収入は▲1.5%前後で減少。それに加え、大規模自然災害によって建物厚生共済保有契約高が近年、横ばいを続けている。

 この結果、平成29年度のJAの事業利益は1744億円で、その内訳は信用事業2109億円、共済事業1477億円で、経済事業(農業関連+生活その他)は▲707億円、営農指導事業▲1135億円となっている。経済事業の赤字を信用・共済事業の黒字でカバーしていることが分かる。

◆経済事業黒字は2割

 一方、農水省は平成29事業年度総合農協調査から、経済事業黒字農協についてまとめた。ここでは、経済事業黒字JAは、営農経済事業の比率の高いJA、特に北海道に集中し、赤字JAは信用・共済事業の利益寄与率が高い都府県のJAに集中していることが読み取れる。
 経済事業が黒字のJAは122で、全JA(657)の約2割となっており、うち約6割(74)は北海道で、約4割(48)が都道府県のJA。うち、直近の5年連続の黒字JAは73で、やはり北海道が大半の53を占める。黒字JAの9割近くが営農指導事業の赤字を農業関連事業の黒字でカバーしている。
 また、経済事業が黒字JAの特徴として、1JA当たりの事業総利益は赤字JAの半分以下だが、その約6割を経済事業関係が占めている。これが赤字JAでは3割程度であり、逆にみると経済事業の利益を確保しているJAは必ずしも事業総利益が大きくはないことを示している。つまり軽罪事業が黒字JAは各事業のバランスが取れており、赤字JAは信用・共済事業に偏っていることが分かる。
 一方、経済事業を部門別にみると、黒字JAは生産資材と販売を合わせて8割以上を占め、赤字JAは、黒字JAに比べ生活物資の割合が約2倍となっている。さらに営農指導事業でも黒字JAと赤字JAの間に顕著な差があり、正組合員一人当たりの営農指導員数は、黒字JAが赤字JAの4.5倍、おなじく一人当たりの支出規模は2.2倍、事業量は販売で4.0倍、購買で2.5倍となっている。
 費用と人員配置の関係では、黒字と赤字の1JA当たりの経済事業総利益はほぼ同水準だが、事業管理費をみると、黒字JAは赤字JAの半分以下に抑えている。また、黒字JAは販売と購買事業に職員の39%を配置しているが、赤字JAの職員は25%にすぎない。このほか、経済事業の税引前当期利益で取り扱い品目を、上位20JAでみると、黒字JAは米の割合が低く、野菜・生乳の割合が高い、都府県でも野菜が主力で、果実、米がこれに続くという違いがある。

総合農協統計表等から

(関連記事)
事業総利益0.5%減 依然、低落傾向続く 平成30年度総合JA決算(19.11.08)

重要な記事

241025・東芝ライテック:右上長方形SP

最新の記事

DiSC:SP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る