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【全農・山崎理事長が講演】生産性向上のツールに AG/SUM 農とテクノロジーでシンポ 2019年11月18日

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 農業とテクノロジーをテーマとするイベント「AG/SUM」が11月18日、東京都内で開かれた。先進的な農業技術。革新的な経営による食の確保と環境の保全、持続可能な成長につながる調和の取れた社会実現の方策や課題を探る。日本経済新聞主催でJAグループも協賛。JA全農の山崎周二理事長が「農家に寄り添った、持続可能な農業への挑戦」で講演するとともに、パネルディスカッションで日本農業の発展に賭ける全農の取り組みをアピールした。20日までセミナー、シンポジウムなどを行う。

全農の取り組みを講演する山崎理事長

全農の取り組みを講演する山崎理事長

 パネルディスカッションで山崎理事長は、農業従事者の減少に触れ、新規就農者の確保にJAのTAC(営農経済渉外担当)の役割を強調。また岐阜県本部で行っている14か月の研修制度では、一人の脱落者もなく10年で41人が就農したことを報告し、就農へのフォローの大切さを強調した。
 そのためには、農業・農村とつながりをもつ"関係人口"の拡大と、就農を希望する人にマッティングの機会づくりを提案する。全農は今年度から「農泊」事業を本格化させ、関係人項の拡大に取り組んでいる。また「農業をやりたい」、「農村に住みたい」という人は多いが、それを実現する仕組みができていなかった」と、行政も含め、これまでの対応の遅れを指摘する。
 パネルディスカッションでは農産物の輸出拡大も提案され、山崎理事長は海外からの旅行者が増え、日本の食や文化に対する関心が高まっていることについて、「インバウンドの80%はアジアからで、うち60%がリピーター。これは日本の食の味を覚えている人であり、これを対象にした戦略が必要。消費地で提供することも検討したい。これから輸出を視野に入れた若い農業者が増えるのではないか」と言う。
 スマート農業も議論になった。農業従事者の減少、耕作放棄農地の増加から、「篤農家の技術の"見える化"とデータ化で生産性を上げることができる。家族農業でどこまでできるか追求したい」と、期待を込めた。また生産性の向上とともに、多様な消費に合わせた農産物を作る必要がある。それによって、目指すべき機械化体系も異なってくる。それに安全で安心の農産物供給に力を入れたい。それが食料の自給率向上につながる」と、農産物のプロダクトアウトからマーケットインへの、全農の取り組みを説明し、理解を求めた。

パネルディスカッションの様子パネルディスカッションの様子

  なお、パネルディスカッションには東京農大の髙野克己学長もパネラーとして参加し、若い世代を中心に農業への関心が高まっていることを強調。「日本の食べものは、単に素材としてではなく、その背景に「日本人の心」があり、日本の文化/伝統の研究に力を入れる必要がある」と抱負を語った。


※山崎理事長の「崎」の字は、正式には異体字です。

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