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JA研究賞に田代洋一氏-JA全中2019年12月24日

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 JA全中は令和元年度のJA研究賞に田代洋一横浜国大・大妻女子大名誉教授の『農協改革と平成合併』を選定し、12月23日に授賞式を行った。

JA全中の中家徹代表理事会長(右)が表彰状を授与JA全中の中家徹代表理事会長(右)が表彰状を授与

 同賞はJAとJAに関する協同組合運動についての著書・研究論文などから優れたものを選定しJA全中が表彰する制度で、昭和48年から実施している。令和元年度は協同組合関係研究者約150人に平成29年1月から30年3月までに刊行・発表された協同組合運動についての著書や研究論文の推薦を依頼、推薦された6件について10月にJA研究表彰奨励選考委員会(研究者4人、JA全国連関係者4人)を開いて審議した。

 田代氏の著書は「JAcom農業協同組合新聞」に連載された「1県1JA」を中心とした合併JAの設立経過から運営の問題点など幅広く調査、分析した連載レポートに今後の論点と課題を加えたもの。きっかけは数年前、1県1JA構想が打ち出された県の農協関係者から相談を求められたこと。単協は必死に今後のJAの方向を考えているが、しかし、合併問題でなかなか相互交流や情報交換はしにくいのが実態で、「合併の賛否ではなく第3者的な人間が実態を淡々と知らせることができればと考えた」と話す。

書影・農協改革と平成合併書影:『農協改革と平成合併』
       (筑波書房 2018年9月刊)

 合併の評価についてはなおも経過を見るべきだが「合併なかりせば」の評価視点も重要ではないかと今後の課題をあげる。

 ただし、問われているのは信用事業が厳しさを増すなか、従来型の信用事業依存型ビジネスの延長上に自らを位置づけるのか、それとも従来型からの脱却をめざすべきなのか――。

 最近では、広域営農指導体制の構築と販売額の増大という明確な合併目的を掲げている合併JAもあることに着目し、田代氏は「新たな農協像の構築に研究面から寄与していきたい」と話している。

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