農家の人手不足支援 都市と農村の交流探る JA都市農村交流全国協議会2020年2月4日
農業の人手不足と、農業や地方に関心を持つ都市の人々を結びつける取り組みが進んでいる。JA全中と(株)農協観光などによるJA全国都市農村交流全国協議会は2月3日、情報・意見交換集会を開き、農業や観光業などの仕事を手伝いながら旅を楽しむことや、援農隊、農泊のあり方などを探った。
都市と農村交流で経験を交流
人手不足の手伝いと旅行を結びつける事業を行っている(株)おてつたびは、主に都市の学生が、旅先で、農作業を手伝いながら、地域との絆を深める取り組みを紹介。かつて農村には季節労働、出稼ぎ、あるいは「住み込み」など、これをもっとポジティブにとらえて「おてつたび」とした。
同社はweb上で、人手を必要とする農家とリーズナブルに旅して、農村・地域との関係をつくりたいという若者のマッチング事業を行っている。参加する若者は学生が中心で、期間は1週間や10日間が多く、手伝いは農繁期の農家や観光シーズンの旅館のほか漁業、酒造、あるいは短期的には雪かきなどもある。
いわば住み込みバイトの形で、同社のケースでは賃金は時給換算850円~950円。宿泊は農泊や公民館などもある。交通費は自己負担になるが、就業先で稼ぐ仕組みになっている。同社によると、求人の6~10倍の応募希望者があるという。
同社代表取締役CEOの永岡里菜さんは、「『おてつたび』は、地域の人と向き合い、一緒に働くことで仲間になれる。農家の人手不足は、人と人のかかわりがないと解消できないのでは」と指摘した。
また(一社)全国農協観光協会は「快汗!猫の手援農隊」事業を展開している。無償で農作業の手伝いをするボランティアの企画旅行で、現地までの交通費、現地滞在費は全て参加者が負担する。平成30年度は、全国25か所31企画で実施し、430人が参加した。
受入先はJAや市町村が手配するが、人手不足解消というよりも、交流による地域農産物の普及拡大、組合員サービスによるJAの求心力の強化などの効果が期待される。
同社は、新規参加し易いように日帰り企画の充実、人手が欲しい時の援農体制の確立を課題としてあげた。
このほか、石川県のJAはくいが「はくい式自然栽培」の"聖地"化を目指した取り組みを報告。「能登里山里海」がFAOの世界農業遺産になったことで欧米の関心が高まっており、これを契機にインバウンドを含めた「農泊」事業を進めている。
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