これからの健闘誓い和やかに歓談 2020年新年の集い2020年2月4日
講演会に続いて開かれた「新年の集い」にも多くの人が参加し、旧交を温めるとともに、農協そして協同組合の果たす役割について意見交換がされた。
開会のあいさつをする森島会長代行
主催者として(一社)農協協会の森島賢・会長代行が、行きすぎた資本主義社会での経済的、社会的「格差」の拡大に触れ、それを防ぐための協同組合の価値を強調し、協同組合陣営の奮起を促した。
新世紀JA研究会の八木岡努代表(JA水戸組合長)は、「日本の種子を守る会」会長でもあることから、昨年の暮れまでに種子法に代わる道府県県条例が15道県で制定され、19の府県で準備がされている。在来種がいま危うい状況にあるので、みんなで作って、それを食べて、守っていくことが大事であり、そういう輪を広げていきたいと語った。
農業協同組合研究会の谷口信和会長(東京大学名誉教授)は、前会長の故梶井先生の業績を紹介しながら「分かりやすくいろいろな問題を伝えていくのが研究者の仕事であり、そのことを研究会としても引き継いでいく」とあいさつした。
来賓の藤木眞也農林水産大臣政務官は、「農協改革」について「党は『自己改革はそれなりに評価ができる』と公表し、農水省も同じ歩調で進めている。基本計画の国会での審議では、中小規模の家族経営に軸足をおいた食料安全保障を前面に打ち出した基本計画になるようにがんばっていく」と語った。
JA全中の石堂真弘常務は、「今年は新しい『基本計画』の実践初年度になるが、より地域の実情に応じた実践をする必要がある。全中は一般社団法人に移行したが、引き続き会員の皆様の声を真剣に受け止めて、代表機能、総合調整機能、相談機能を発揮して精一杯役割を果たしていく」と語った。
その後、村上光雄元JA全中副会長が、最近の自然災害や豪州の山火事にふれ「世界の農業、食料が不安な状況になっているが、問題は復旧工事が現状への復旧で将来への備えにはなっていないこと。安倍内閣は憲法改正を止め、国防省を含め百年の計にたち、国土の防災ができる『国土防災省』のようなものをつくらないと、さらに大きくなると危惧される災害に対応できない。泣くのはいつも農民だから『農協改革』ではなく『行政改革』が必要」だとし、「今年もJAcom農業協同組合新聞を通して、夢と正論を発信していく」と語り乾杯の音頭をとった。
来賓と主催者による鏡開きで賑やかに集いが始まる
その後、参加者が歓談するなか、菅野孝志JA福島県中央会会長、萬代宣雄JAしまね元組合長、上村幸男JA熊本経済連元会長、加藤好一生活クラブ生協連会長、関口聡家の光協会専務理事らが農協の役割と協同の大事さを語り連帯のあいさつをした。
さらに、玉木雄一郎国民民主党代表、紙智子日本共産党農林・漁業局長から「農業問題は野党共闘の接着剤になり、農政の変化をつくっていきたい」などのあいさつがあった。また公務のため参加できなかった山田俊男参議院議員からも連帯のメッセージが届けられた。
その後も、今尾和美協同組合懇話会会長、加藤一郎JA全農元専務理事も協同組合の重要性と今後への期待を込めたあいさつがあり、和やかに懇談の輪が広がった。そして熊谷健一農協協会理事(農事組合法人となん組合長)のこれからの互いの健闘を誓う閉会のあいさつで散会した。
交流を深め和やかに歓談する参加者
なお参加者には、全国各地の農協から寄せられた特産品がお土産として手渡された。寄贈された特産品の数々は別掲の通りです。ご協力を賜りありがとうございました。
寄贈された全国各地の農協の特産品の数々(クリックで拡大)
(関連記事)
・農協リーダーが描く等身大の農業・農協再編戦略(2020.02.04)
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