正組合員6万人減る 77農協が当期損失金 30事業年度総合農協調査 農水省2020年3月31日
農水省はこのほど平成30事業年度総合農協調査結果の概要をまとめた。それによると全国の組合員数は、前事業年度に比べ、正組合員が約6万人減り、准組合員は約3万6,000人増えたものの、全体で約2万人減った。また9割弱の農協が剰余金を出しているものの、前年の約2倍の1割強の農協で損失金を発生させており、組合員の減少と経営悪化の傾向が顕著になっている。
◆准組の伸び率低下
全国の農協の組合員数は1049万人で、前年度に比べ、2万人(0.2%)減った。うち正組合員は424万8000人で5万7000人の減。准組合員は3万6000人増えて624万人となった。
正組合員はこの数年5~6万人規模で減少している。准組合員は13~16万人規模で増加していたが、30年度の増加数は大幅に減少している。
◆女性役員は8%に
一方、農協の役員は1万6916人で、前年度に比べ356人(2.1%)の減。うち女性役員は1347人で20人増え、全役員に占める割合は7.7%から8.0%になった。職員は19万5508人で、4681人(2.3%)の減となった。
◆共済、購買で減少
事業総利益は1兆8014億円で、前事業年度に比べ5億円の増。うち信用事業は7642億円で211億円、販売事業は1475億円で1億円増えたが、共済事業は4642億円で90億円、購買事業は2828億円で62億円、それぞれ前年度を下回った。
事業管理費は1兆6102億円で、前年度にくらべ162億円(1.0%)の減少となり、うち人件費は1兆1497億円で、137億円(1.2%)減った。事業総利益のプラスは信用事業利益と人件費の削減でカバーしている実態がうかがえる。
◆剰余金1.2%減
この結果、経常利益は2714億円となり、前年度に比べ178億円(7.0%)増えたものの、当期剰余金は1417億円で、108億円(7.1%)減った。
なお、当期剰余金発生農協は562組合(全体の87.9%)。当期損失金発生は77農協(同12.1%)で、前事業年度の37農協から、一挙に倍増となった。
この他、事業別の実績をみると、貯金の平均残高103兆873億円(前事業年度比2.5%増)、貸出金平均残高21兆6703億円(同0.6%増)、預金の平均残高78兆4711億円(同3.7%増)、有価証券等の平均残高(3兆9899億円(同0.3%増)となっている。
長期共済の新契約高(保証共済金額の合計)は27兆1498億円(同15.3%減)。うち生命共済は対前年比12.0%の増えたが、建物更生が17.7%減った。
購買品供給・取扱高は2兆5005億円(同0.4%減)、生産資材は1兆8469億円(同0.9%増)、生活物資は6537億電(同3.9%減)だった。
販売品販売・取扱高は4兆5679億円(同2.5%減)。うち農産物は3兆2180億円(同3.2%減)、畜産物は1兆3499億円(同0.8%減)だった。
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