南郷トマト生産組合メンバーGAP認証 今年度第2弾の24人が取得準備 JA会津よつば 南郷営農経済センター2020年4月10日
福島県のJA会津よつば管内の南郷トマト生産組合のメンバー31人「南郷トマト生産組合GAP先発隊」は2019年9月24日付けでJGAP※団体認証を取得した。今年度は第2弾となる24人が認証取得に向け準備を進め、GAP認証の拡大を目指している。
南郷トマト生産組合が出荷する「南郷トマト」
福島県のJA会津よつば南郷トマト生産組合が生産する「南郷トマト」は、夏秋トマトの代表として7月下旬から10月下旬まで出荷されている。
同生産組合がある南会津地方は、標高が高く昼夜の寒暖差が大きいため、トマトは糖度と酸度のバランスがよく実も味も引き締まっているのが特徴だ。
この「南郷トマト」は2007年に地域団体商標に登録され、2015年3月には、生産地の気象条件等を最大限に活用して高品質のトマトを生産していることや徹底したブランド管理等が評価され、同生産組合が日本農業賞の集団組織の部で大賞を受賞している。その後、2018年8月には地理的表示保護制度(GI)に登録された。
南郷トマト生産組合では、50年の歴史を持つ南郷トマトを守るため、JGAP団体認証の取得を通して、改めて南郷トマト生産組合の基盤を整え、次の「100年産地」を目指すこととした。
ただ、同生産組合のメンバーは120人を超えているため、まず、31人がJAグループGAP支援チームによる支援も受けながら、JA会津よつば南郷営農経済センターに「団体事務局」を置いてJGAPの団体認証の取得を目指した。その結果、農場名「南郷トマト生産組合GAP先発隊」が2019年9月24日付でJGAP団体認証を取得している。
そして今年度は、第2弾となる24人のメンバーが団体認証を目指すこととし準備が進められている。
JA会津よつば南郷営農経済センターの山内孝志さんによると、先に認証を取得した「先発隊」の人たちが自らの経験をもとに、GAP認証取得の取り組みを「やったらいいぞ」と勧めたことが、若い生産者で収量が平均以上で単収が高いメンバー24人の取り組みにつながったという。
南郷トマト生産組合のメンバーによるJGAP団体認証の取り組みの目的は、オリンピック・パラリンピックへの食材提供や、高く販売できるGAP認証品を作ることではないという。
GAPに取り組むことが生産工程管理について、自分の農場の見直しにつながることを評価している。たとえば、「食品安全」や「環境保全」などについては、生産組合のルールで農薬、肥料は統一するなどでは元々しっかりした取り組みができていた。しかし、整理整頓、記帳・記録といったことを外部評価という仕組みがあることから一層きちんとやっていくようになるなど「農業経営者としての意識が変わった」という。
もちろん認証費用の負担が大きいことなど課題もあるが、南郷トマトの産地を守るための取り組みのひとつとして「GAP認証拡大を目指す」ことを2月5日に開催した同生産組合の総会で決定している。
「南郷トマト」の苗づくり。4月下旬頃の様子。
(※)▽GAP(農業生産工程管理)とは、農業生産活動の持続可能性を確保するため、食品安全、環境保全、労働安全、農場経営、人権・福祉などに関する法令等を遵守するための点検項目を定め、その実施、記録、点検、評価を繰り返しながら生産工程の管理や改善を行う取り組み。
▽JGAPは2005年にスタートした日本発のGAP認証規格で日本の標準的なGAPとして日本の農業生産者にとって必要十分な内容を備えている。
▽また、ASIAGAPは、JGAPの内容に、GFSI(世界食品安全イニシアティブ)の要求事項を追加してGFSIの承認を受けた、GLOBAL G.A.P.と同等の"国際規格"に位置付けられる。JGAPとASIAGAPは(一財)日本GAP協会が管理、開発、運営している。
▽なお、GLOBAL G.A.P.は、ヨーロッパ発の国際規格で、運営主体はドイツに本部がある非営利組織フードプラスが管理、開発、運営するGAP認証の規格。
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