高知大学医学部との共同研究講座で成果 ユズ種子成分で化粧品や「ゆずちゃんゼリー」など 馬路村農協2020年4月17日
高知県の馬路村農業協同組合は高知大学医学部とユズの研究を発展させる目的で共同研究講座『高知馬路村ゆず健康講座』(溝渕俊二特任教授・医師)を設置し成果を挙げている。
ユズは冬至のゆず湯には血行促進や関節痛の軽減などの効果があるとされ昔から親しまれてきたが、ユズの健康効果に対する科学的根拠となる研究は少なかった。
このため馬路村農協は、ユズの種を圧搾して抽出した"ユズ種子オイル"について、高知大学医学部と平成21(2009)年12月1日に共同研究契約を締結。「ユズ種子成分の皮膚塗布による機能性評価」と「ユズ種子成分の経口摂取による機能性評価」を共同研究テーマとしてきた。
その研究成果として、共同で次の特許を取得してきている。「抗酸化剤」(2014年4月)、「抗アレルギー性皮膚炎外用薬」(2016年3月)、「体重増加抑制剤」(2018年11月)、そして2019年6月には「肝脂肪抑制剤」の名称で特許を共同取得している。
そしてこうした『知的財産』を活用し、「高知大学医学部共同研究」の名称使用を許可された"ユズ種子油"を使った新しい製品開発に繋げている。
2018年4月1日には、より充実した研究活動と研究成果を得るための研究基盤を充実させることを目的に、馬路村農協との共同研究の拠点を大学内に設置し、「ユズの機能性」について一定期間継続的に研究活動を行う仕組みである「共同研究講座」を設置した。
同講座の特任教授となった溝渕教授は、元は外科医で看護学科臨床看護学講座の教授でこの共同研究講座を兼務しており、講座の名称「高知馬路村ゆず健康講座」は馬路村農協の東谷望史代表理事組合長が命名した。
この講座には、馬路村農協から営農販売課課長補佐の浅野公人さんが、農協に在籍したまま大学の特認助教として出向し研究に従事している。
高知大のホームページにある「教室員紹介」で溝渕教授は、馬路村農協から在籍出向で特任助教に就任した浅野公人さんを評して、「国際学会の壇上に農協の制服姿で登場したところに馬路愛を感じた」と記している。
浅野さんは「農協が単独で研究をするよりも大学との共同研究でより専門的なことに取り組める」と話してくれた。
昨年の12月24日に同大医学部主催の記者会見で、溝渕特任教授らは、「ユズ果汁と精製β-グルカンによる腸内環境改善食品」の開発を報告した。
この食品は、高知県産業振興センターの平成29年度「こうち農商工連携基金 農商工連携新商品等開発推進事業助成金」に採択されてから、同県"特産資源のユズ果汁"および"県内企業の技術"で製造する精製β-グルカンを活用した画期的な腸内環境改善食品の開発に3年間取り組み、「ユズ果汁が腸内の乳酸菌数を増やし腸内の環境を改善させる」ことについて有意義なエビデンスを得た後、『ゆずちゃんゼリー』として製品化したもの。さらに糖尿病予防効果についても現在研究しており『ゆずちゃんゼリー』は可能性を秘めた食品だとも語っている。
商品は、【馬路村農協のホームページ】にある通販サイトで購入できる。
また、同農協は「商品を通して、電話を通して馬路村の空気感を伝えたい」としてコールセンターを開設している。
▽電話 0120-559-659
▽受付 8時30分~18時(土曜日17時まで、日・祝日休み)
写真=馬路村農協にホームページの「馬路村農協のおすすめ商品には、飲料「ごっくん」とともに、皮膚コンディショニング成分で保湿剤のユズ種油100%を使った化粧品「ピュアシードオイル」や、「ゆずちゃんゼリー」が紹介されている。(上)、ゆずちゃんゼリー』
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