果樹の盗難抑止に効果 システム導入で被害8割減 JA南アルプス市2020年6月9日
サクランボやブドウなど高級フルーツの産地、山梨県のJA南アルプス市は、長年悩まされてきた果実の盗難被害の対策として開発した「果樹盗難抑止システム」で被害件数の減少に成果を上げている。
![サクランボ園の盗難防止のためセンサーを設置する手塚次長](https://www.jacom.or.jp/noukyo/images/nous20060914_1.jpg)
同システムは、果樹園への不審者の侵入を感知し、サイレンなどで警告するもので、同JAが取引業者と共同で2018年に開発した。園地に直径30メートルの範囲を360度監視できる赤外線センサー機器を設置し、侵入者を感知すると警告音と赤色灯で警告し、即座に園主へメール通知が届く。この効果で、被害件数が以前よりも70~80%以上減少するなど確実に成果を残している。
今年は、サクランボの本格的な収穫期前の5月28日、JAの営農指導員が申し込みのあった組合員の園地を訪れ、機器を設置した。同JAによると、今年は天候が安定しており、豊作傾向にあることから、申し込み数も多いという。
同システムの利用はサクランボの時期が最も多く、ブドウの「シャインマスカット」やスモモの「貴陽」など、高級品種の収穫期にも多く利用されている。
JA営農指導部の手塚英男次長は「1年かけて栽培してきた果実の盗難は、本当に心が痛む。同システムを設置することで、1件でも盗難を減らしたい」と話している。
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