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鉄コーティングもみの田植え スマート農業で実証 JA晴れの国岡山2020年6月11日

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JA晴れの国岡山管内の農事組合法人 寄江原(真庭市)は5月29日、農林水産省の「スマート農業技術の開発実証プロジェクト」により、同市鹿田地内のほ場で鉄コーティングのもみを使った直播の田植えを行った。

手放しでも自動で作業をこなす直線キープ機能付きの多目的田植え機手放しでも自動で作業をこなす直線キープ機能付きの多目的田植え機

同プロジェクトは、スマート農業で労力や費用を削減し、「楽しく、儲かる農業」につなげようと全国69か所で2年間かけて実証しており、今年で2年目。同営農法人のほか、岡山県、真庭市、JA晴れの国岡山真庭統括本部など地域のステークホルダーで構成するコンソーシアム「SDGs未来杜市・真庭農業オープンラボ」として、同プロジェクトに参加している。

実証にあたっては、真庭農業普及指導センターが栽培についての進行管理役を務め、市内2か所と瀬戸内市1か所で田植え機とコンバインをシェアリングし、移植時期の異なる場所でそれぞれ実施している。

当日は10アールあたり3.5キロの「きぬむすめ」のもみ種を、直線キープ機能のある多目的田植え機で播く作業を行った。GPSの位置情報を利用して株間、施肥量を統一し、1か所6~7粒ずつまいた。もみ種は3日ほどで発芽し、移植での田植えとほぼ同時期に刈り取りを迎える。

同営農法人は、育苗と移植作業の省力化とコスト削減のため、鉄コーティングもみの直播を以前から試験栽培してきたが、水管理や除草などの失敗で思うように収量を得られなかった。しかし、昨年、スマート農業を導入することで、水管理や田植え前のほ場の様子を見ることで初めて収穫に成功。通常の移植での田植えと遜色ない収穫量となった。今シーズンは、昨年の4倍にあたる約1ヘクタールの栽培を行う。

同組合の矢萩正孝代表理事は「直播を行うと、コストと時間のかかる育苗を省力化できる。今シーズンは、今後広めていくかどうか決まる勝負の年。成果が出れば直播をどんどん増やしていきたい」と話している。

同事業は、実証期間の2年を経過後も、各地の施肥量や水管理、食味などの作業情報を集め、農機具メーカーが独自に持つ作業データを集約し、各方面で共有できるようデータ化する。

昨年度は、作業時間の低減と平均収量の向上の効果が見られたが、実証2年目となる今年度は、昨シーズンに集積したデータを作付けに生かしていくという。

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