【全農のJA支援・上】 「経済事業強化メニュー」軸にJA・県域の取り組み方向を示す2020年6月19日
JA全農は、平成19年度から経済事業の収支改善や組合員への対応力強化のための「JA支援」を強化しているが、6月8日、県本部向けの全国会議を開き、取り組みの進捗状況と直近の課題を踏まえた対応方向、そのための体制づくりなどの手順を示した。詳細を紹介する。
JA支援は、全農が2019年からの3か計画のなかで、JA改革の柱の一つとして打ち出したもので、「農家対応力の強化」「産地づくり」「物流合理化」「拠点型事業の一体運営」をJA支援として位置づけてきた。それによって単位JAの経営改善のネックとなっている経済事業収支を改善し、全農の取扱数量の拡大と収支の改善を目指そうというもの。
このため全農は、(1)JAごとのニーズや課題に沿った「経済事業強化メニュー」を設定する、(2)事業の一体化・受託等、現在の全農のマスタープランや事業戦略を活用し、最適なプランを提案する、(3)JAの経営層・管理部門と一体となった課題解決に向けた仕組みを構築する、(4)経済事業メニュー提案による全農・JAの収支改善効果を定量化する、という取り組み方向を打ち出した。
この方針による「経済事業強化メニュー」の設定に取り組んだJAは、全農県本部のある32県域だけで224JAある。この3か年計画中に全JAの策定をめざす。全農は、2016年からの前3か年計画で、「手取り最大化55JA」の取り組み事例をまとめており、これを参考に県域主体で取り組む。メニューは、JAの場所別・部門別収支データ、併せて農林中金が取り組む「見える化プログラム」を使って設定するとしている。
令和元年度の取り組みによると、担い手直送用規格農薬の普及拡大、土壌診断に基づくBB肥料の提案などによる「生産コストの低減」、系統利用の拡大、労働力支援などによる「農家対応力の強化」、さらに直接販売の拡大 実需に応じた生産提案、集荷率向上などによる「販売力強化」、重点品目の作付け推進、新規就農支援などによる「産地づくり支援」などのメニューを経済事業強化策として提案してきた。
一方、JA域を超える課題は、県域(または広域)で事業別マスタープランを設定して取り組む。県域では、(1)拠点型事業の一体化・体制整備、(2)生産資材の県域・広域物流整備、(3)広域集出荷施設の設定・運営によるJA機能の補完などの課題に取り組んできた。
また、農林中金はデータ確認、ヒアリング、現地の実態確認、JAと課題共有のプロセスを経てメニューを提案する「見える化プログラム」の導入に努めている。これとも連携しながら取り組む。平成30年度の2県域を皮切りに元年度は8県域で導入した。2年度は18県域を目指す。
経済事業強化メニューの実質的な実践部署となるのは全農県本部とJAで、全農の県本部の副本部長が責任者となり、JAの事業部門の担当部署と一緒になって取り組んでいる。これまでメニュー提案は、JAが課題提起して設定していたが、令和2年度は、令和元年度に実施した県域JA(JAしまね、JA高知県)におけるJA支援の手法を全県本部が活用してJAにメニュー提案する考えだ。
【全農のJA支援の目的】
◇3か年計画の柱の一つとして、「農家対応力の強化」「産地づくり」「物流合理化」「拠点型事業の一体運営」等を本会のJA支援と位置付け、会員ニーズへの対応力向上を図る。
◇もって、JA経済事業収支の改善と組合員への対応力強化を通じて、本会の取扱量拡大・収支の改善を目指す。
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