春肥価格 塩化加里7%超値下げ-JA全農2020年10月30日
JA全農は10月30日、令和2肥料年度春肥の単肥価格を公表した。塩化加里は7.3%の値下げで決定した。
塩化加里は令和元年春肥料から3期連続で値下げとなった。尿素、硫安、石灰窒素、けい酸加里は0.1%~1.9%の値下げ、りん酸質である過石・重焼りんは据え置きで決定した。
肥料原料の国際市況は、りん安、りん鉱石は4月以降、横ばいで推移、尿素や加里は前期比(秋肥対比)で値下がりしている。製造経費について工場老朽化にともなう修繕費の増加を理由に値上げ要求があったが、最終的に据え置きで決定した。また、窒素質肥料の基準となる国産尿素は値上げ要求があったが、内外価格差縮小を求めて値下げで決着した。
海外原料市況のうち、尿素の国際市況は、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう原油価格の下落でバイオエタノール需要が減少、米国で原料となるトウモロコシの作付けが減少したことから値下がりした。ただ、現在は世界最大の需要国のインドが好天によって尿素の買い付けを再開したことから需要が回復傾向にあるという。
りん安も米国では需要が減ったものの、インドで旺盛な需要があることから4月以降は横ばいで推移している。今後は大豆の輸出が好調なブラジルでの需要増加が予想されることから市況の上昇が見込まれている。
塩化加里は、パーム油の値下がりで東南アジアでのアブラヤシ産地での需要が低調となったことや、サプライヤーと中国、インドとの価格交渉が大幅な値下げで決着したことから下落している。
海上運賃は新型コロナウイルスの感染拡大で輸送需要が減少し、原油価格の下落にともなう燃料油の値下げで軟化した。その経済回復した中国で製鉄生産が増加したことにともなう鉄鉱石輸送などが回復したことから、大型船を中心に海上運賃が上昇している。ただ、肥料を輸送する小型船は前期と同水準で推移しているという。
為替は4月以降1ドル108円~110円で推移してきたが、新型コロナ感染第2波への警戒感からドルが売られ現在は円高で推移している。
新型コロナウイルスの感染拡大でサプライチェーンへの影響が懸念されたがJA全農は「これまで海外からの肥料原料の調達、国内物流に大きな混乱はない」としながらも、今後の感染状況による経済情勢を見極めて、肥料供給事業に大きな混乱がないよう対応していくとしている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(103) -みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(13)-2024年7月20日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(19)【防除学習帖】 第258回2024年7月20日
-
土壌診断の基礎知識(29)【今さら聞けない営農情報】第259回2024年7月20日
-
コメの先物取引は間違い【原田 康・目明き千人】2024年7月20日
-
(393)2100年の世界【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月19日
-
【'24新組合長に聞く】JA鹿児島きもつき(鹿児島) 中野正治組合長 「10年ビジョン」へ挑戦(5/30就任)2024年7月19日
-
冷蔵庫が故障で反省【消費者の目・花ちゃん】2024年7月19日
-
農業用ドローン「Nile-JZ」背の高いとうもろこしへの防除も可能に ナイルワークス2024年7月19日
-
全国道の駅グランプリ2024 1位は宮城県「あ・ら・伊達な道の駅」が獲得 じゃらん2024年7月19日
-
泉大津市と旭川市が農業連携 全国初「オーガニックビレッジ宣言」2024年7月19日
-
生産者と施工会社をつなぐプラットフォーム「MEGADERU」リリース タカミヤ2024年7月19日
-
水稲の葉が対象のDNA検査 期間限定特別価格で提供 ビジョンバイオ2024年7月19日
-
肩掛けせず押すだけで草刈り「キャリー式草刈機」販売開始 工進2024年7月19日
-
サラダクラブ三原工場 太陽光パネルの稼働を開始2024年7月19日
-
「産直アウル」旬の桃特集 生産者が丹精込めて育てた桃が勢揃い2024年7月19日
-
「国産ももフェア」直営飲食7店舗で25日から開催 JA全農2024年7月19日
-
「くまもと夏野菜フェア」熊本・博多の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年7月19日
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(1)地域住民とともに資源循環 生ごみで発電、液肥化2024年7月18日
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(2)大坪康志組合長に聞く 「農業元気に」モットー2024年7月18日
-
【注意報】野菜・花き類にオオタバコガ 栽培地域全域で多発のおそれ 既に食害被害の作物も 群馬県2024年7月18日