労働者協同組合法案を可決 衆議院厚生労働委員会2020年11月21日
労働者協同組合法(労協法)案が11月20日、衆議院厚生労働委員会で審議・採決され可決された。労協は、組合員が出資し、それぞれの意見を反映して事業を行い、自らが事業に従事することを基本原理とする組合で、法制化によって法人格を得ることができ、社会的信用や法的な保護がより向上することになる。この後、国会審議を経て、今国会で成立する見込みとなっている。
労働者協同組合はワーカーズコープあるいはワーカーズ・コレクティブと呼ばれ、1980年代から活動しており、全国で約1万6000人の就労者と約450億円の事業を展開。自治体や地域のさまざまな団体と連携して、介護・福祉・子育て支援を始め高齢者、生活困窮者、障がい者、働くことの困難な若者の就労や生活の支援など、幅広い活動を展開している。
働き方の多様化で、ニーズの高い介護や福祉分野などで活動が広がってるが、法律上、このような出資・意見反映・労働が一体となった法人形態がなく、企業組合やNPO法人などで対応していたが、地方自治体との契約などの際、支障が多く、新たな法人形態が求められていた。
可決された労働者協同組合法の骨子は、(1)組合の基本原理に基づき、組合員は加入に際し、出資を行い、組合の事業に従事する者とする、(2)出資配当は認めない(非営利性)。剰余金の配当は従事分量とする、(3)組合は、組合員と労働契約を締結する(組合による労働法規の遵守)などとなっている。このほか、経過措置として施行日から3年以内に企業組合あるいはNPO法人からの組織変更できることとなっている。
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