廃棄ロス解決でタッグ「三浦市産キャベツ」のハンバーグ発売 石井食品×三浦市×JA三浦市2021年3月3日
無添加調理による加工食品の製造販売する石井食品は3月2日、神奈川県三浦市、JA三浦市と連携して開発した三浦市産キャベツを使ったハンバーグについて三浦市と千葉県船橋市の同本社をつないでオンラインで発表した。
調理イメージ
生鮮品のキャベツを日持ちする加工食品として商品化することで地域課題を解決しようと開発された「神奈川三浦のキャベツを使ったトマトソースのハンバーグロールキャベツ風」は2月1日に発売。先行して1月22日から三浦市内の一部スーパーで販売したところ、1週間の出荷数が約2万個を達成。三浦市の総人口の約半分に相当する数で、地域の消費者から好評を得ると同時に、キャベツの生鮮販売量を高め、販路に寄与した先例となった。
試食会もかねて行われた2日の発表会で、三浦市の吉田英男市長は「キャベツの風味が活かされてとてもおいしい。子どもたちが喜んで食べてくれそう」とハンバーグについてコメント。さらに「三浦の素材として全国に食べてもらえるいいチャンス。食品メーカーに農産物をご利用いただくコラボは三浦にとっても非常に大きな意味がある。全面的にサポートしていく」と話した。
同社は、2016年から生活者と生産者をつなげることをテーマにした「地域と旬」の取り組みを約30の地域で展開。地域の風味を大切にする生産者や地域住民を応援しながらともに商品を開発している。今回のコラボは同社営業担当者が新型コロナウイルスの影響で三浦のキャベツが大量に廃棄される危機にあることを報道で知ったことに始まる。
廃棄ロスへの取り組みについてJA三浦市の杉野幸雄組合長は「販売価格の安定のためにも産地を持ってもらえる企業との取り組みと合わせて産地をアピールしていく必要がある」とし「産地を考えてくれる石井食品のような食品メーカーとタッグを組んでいくことは何より重要なこと。通常では考えられない商品宣伝につながり、地域でとれたキャベツが加工してもおいしく食べていただけることは、旬を食べてもらうのと同じ意味がある」と話した。
三浦市産キャベツは、神奈川県東南部に位置する三浦半島最南端で栽培され、昼夜の寒暖差があることで甘みが強いのが特徴。三方を海で囲まれた自然を生かした露地野菜中心の農業が盛んで、潮風が海のミネラル分を畑に運び、葉が厚くなる。栽培方法は昭和40年頃に確立され、41年には国の指定産地になった。傷がつかないように手作業で丁寧に収穫されている。
JA三浦市営農部の出口剛部長は「三浦のキャベツの特長はやわらかさと甘み。先人から受け継いだ栽培技術を活かして、露地でさかんに栽培されている。これから3~4月にかけてさらに柔らかさと甘みを増した春キャベツをサラダでも味わって」と三浦のキャベツをアピールした。
「神奈川三浦のキャベツを使ったトマトソースのハンバーグロールキャベツ風」(200円・税別)は、甘みとふんわりした食感のある三浦キャベツを活かし、キャベツの甘みをトマトの酸味で際立たせるトマトソースを仕上げ、手間のかかるロールキャベツの味をハンバーグで再現した。同社公式サイトでも販売。
JA三浦市の出口営農部長
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