農村の読書率高まる 4年ぶり上昇、63%に 家の光協会調査2021年3月5日
農村の読書率が高まっている。家の光協会の2020年の「全国農村読者調査」によると、月刊誌・週刊誌・書籍のいずれかを読んでいる総合読書率は前回の55%から8ポイント増加の63%になった。雑誌、書籍ともに2016(平成28)年以来の上昇になった。週刊誌の購読では、これまでの「女性自身」から、今回は「週刊文春」がトップになった。
月刊誌、週刊誌、書籍のいずれかを読んでいる総合読書率は、男性が57%、女性が67%で、女性の方が高い。年齢では10代の81%が最も高い。職業別では学生の72%がトップで、次いで農業の67%だった。このなかで雑誌の読書率は全体の48%に対して、トップは70代の62%で、高齢者の比率が高い。
月刊誌は「毎月読む」と「時々読む」を合わせて37%。女性の44%に対して男性が28%と男女差が大きく、前回に比べて女性が4ポイント上昇しているのに対して男性は1ポイント落ちている。職業別では農業がトップで49%。
週刊誌は全体が27%で、70代がトップの42%。職業では農業がトップの37%だった。書籍は全体が36%で、10代が67%、職業は学生が63%で群を抜いている。性別、職業別とも前回に比べ上昇している。
読んでいる月刊誌は「家の光」がトップで、次いで「現代農業」、「オレンジページ」だった。週刊誌は「週刊文春」、「女性自身」。「女性セブン」の順で、これまでトップだった「女性自身」がランクを下げた。毎号読む週刊誌は「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年マガジン」、「週刊ヤングマガジン」の順。
この半年間に読んだ書籍は、トップが「ONE PIECE」で「鬼滅の刃」、「進撃の巨人」と続く。購入した書籍の1か月当たり本代は、全体で1941円で、10代が断トツの3159円、職業では自営業が3090円でトップだった。好きな作家は東野圭吾で11年連続。宮部みゆき、湊かなえが続く。
新聞の定期購読は全体が73%で、前回より4ポイント下がり、これまで最低の水準で「新聞離れ」がうかがえる。購読者の職業では農業がトップの90%で前回並みだが、その他の職業は軒並み前回を下回った。全国紙26%に対して地方紙79%と、圧倒的に地方紙が強い。
インターネット接続機器の利用では、パソコンや携帯電話、電子書籍端末などを利用している人は全体で70%だった。うちパソコンは34%、携帯電話は62%が利用している。年代別では10代(100%)、20代(99%)、30代(91%)の順に高いが、60代では64%、70代22%と低下しており、デジタル格差の傾向がみられる。
なお、この調査は毎年実施しているが、今回は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、前回までは調査員による訪問留置・訪問回収から郵送配布・回収に変更した。調査は9月下旬~10月下旬に実施し、標本数は1800で有効回収は824(回収率45・8%)だった。
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