JA直売所で余った農産物を東武東上線 池袋駅で販売 実証実験開始2021年3月15日
フードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」を運営する(株)コークッキングは3月18日~31日、東松山市、東武鉄道、JA埼玉中央、東松山生産者直売組合と連携し「TABETEレスキュー直売所」の実証実験を開始。JA直売所で発生する農産物のフードロス削減をめざす。
同実証実験は、JA埼玉中央 東松山農産物直売所「いなほてらす」で売れ残った農産物をコークッキングが買い取り、東上線の森林公園駅から列車に積み込んで池袋駅まで輸送。池袋駅構内のイベントスペースで都心の消費者に販売することで、フードロスの削減に取り組む。
東松山市は梨や栗をはじめ果樹と野菜の産地として県内でも指折りの販売額を誇る農産物直売所がある。直売所では、閉店後に売れ残ってしまった農産物は農家が引き取るのが一般的。まだ商品価値があっても、多くは廃棄になっていることから、農産物のフードロスを削減するため、4者との協議により今回の実証実験に取り組むことになった。
同社は、2020年7月に「東松山起業家サポート投資事業有限責任組合」の出資を受け、本店を埼玉県東松山市に移転。これまで「TABETE」を通じて中食業界・外食業界の食品ロス削減に貢献してきた。
実証実験の開始にあたり、東松山市の森田光一市長は「市内農家の皆さんが丹精込めて作った農産物が、無駄にならずに食卓に運ばれることを大変嬉しく思う。池袋駅をご利用の皆さんに、比企丘陵の美しい自然に囲まれて育った農産物をご賞味いただき、東武東上線で約50分とレジャーにも通勤にも"ちょうどいい"東松山を知っていただく機会になれば」と期待を寄せている。また、東武鉄道の常務執行役員・鉄道事業本部長の吉野利哉氏は「鉄道輸送を活用し、沿線地域の新鮮な農産物を無駄にすることなく、多くのお客さまにお届けすることで、『フードロス』という課題解消の一助になるものと考えている。当社グループの様々なサービスの活用により、SDGsの取り組みなど社会課題の解決に貢献したい」とコメントしている。
フードロスの取り組みについてJA埼玉中央の千野寿政組合長は「JAでは現在、地域に必要とされる協同組合のさらなる確立に向けて自己改革に取り組んでいる。今回のプロジェクトで、直売所で売れ残ってしまった野菜を買い取ってもらいフードロスを無くすことにより、自己改革の基本目標である『農業者の所得増大』や『農業生産の拡大』に繋がると期待する。また、SDGsを達成するための取り組みとしても素晴らしいプロジェクトで、携われることを嬉しく思う」と話している。
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