激変する社会に対応 新たな事業の構築を 日本生協連・本田会長が講演2021年3月24日
1900(明治33)年3月に公布された産業組合法にちなみ、JAグループや生協などの元職員らで構成する協同組合懇話会は3月22日、オンラインで「協同組合記念日の集い」を開き、日本生協連の本田英一会長が生協の事業や社会的な役割について講演した。特にコロナ禍に対応した商品や事業など、これからの協同組合のあり方について検討する必要性を強調した。
![日本生協連の本田英一会長](https://www.jacom.or.jp/noukyo/images/nous21032427_1.jpg)
本田英一会長
現在(2019年)の生協組合員は2961万人で、全世帯(約5700万)の半分強を占める。全生協の取扱高は約3兆5500万円に達する。うち地域生協は約2兆9000億円。宅配や買い物弱者のための移動販売車の運用、子育て、高齢者、障がい者支援、生活相談、フードバンク、奨学金制度など、さまざまな社会活動を展開している。
特にエシカル(倫理的)消費への対応やSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みなどについて本田会長は、「生協は社会・地域・環境・人々の視点で倫理的な消費のため、すべての生産・流通・消費のプロセスに責任を持たなければならない」と指摘した。
また、今日の行き過ぎた市場経済によって協同組合は大きな転換期を迎えているとして、くらしの危機、経営の危機、事業継続の危機、つながりの危機の4つの危機を指摘し、具体的に検討すべき10の課題を挙げた。特にコロナ禍で注文か生協に殺到し、欠品が出たことなどの反省から、「商品と事業のあり方を見直す」としている。「パンデミックを想定した事業継続計画を定める」や「緊急事態に対応した新しいガバナンスについて総合的に検討する」ことや、在宅やリモート会議などの定着を踏まえ、新しい働き方を検討する必要性を強調した。
本田会長は「コロナ禍で人々のくらし方が大きく変わった。さらに大きな社会の変化があると思う。これから予想されるウイズコロナの社会で、協同組合はどのように立ち向かうか。それを考えるきっかけにしたい」と述べた。
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