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全国初、Z-GISの活用でGAP認証取得 JA全農ぐんま2021年4月12日

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JA全農ぐんまはこのほど、昨年3月にJGAPを取得した園芸作物生産実証農場の栽培品種(キュウリ、ナス、ミニトマト)で、全農の営農管理システム「Z-GIS」を活用し、JGAP取得1年目の維持審査に合格した。全面的にZ-GISを活用してGAPの審査を受けるのは全国で初となる。審査対応を行った、JA全農ぐんま園芸部生産振興課の松田こずえ氏と、生産資材部担い手推進課の塚田康平氏にこれまでの取り組みを聞いた。

JA全農ぐんまの松田氏(右)と塚田氏JA全農ぐんまの松田氏(右)と塚田氏

園芸作物生産実証農場(前橋市)は、群馬の気候に適した施設環境制御技術の確立を目的に、パイプハウスでキュウリ、ナス、ミニトマトの栽培実証に取り組んでいる。キュウリは複合環境制御システムによる個別技術を組み合わせた高収量・省力栽培の実証施設として、硬質フィルム温室(20a)で栽培され、年間収量は約35万tを誇る。ナスは5棟あるパイプハウスの2つ(4.8a)で栽培している。同農場は、リスクの見える化と県内のGAP普及の研修拠点となることを目的に、2020年3月5日にJGAP認証を取得している。

Z-GISを活用したGAP認証を取得(写真はキュウリほ場)Z-GISを活用したGAP認証を取得(写真はキュウリほ場)

GAPは、生産に使用するすべてのほ場や施設を明確にすることからはじまる。そして、ほ場や施設のリスク評価を行い、その管理手順をマニュアル化し、記録を残すといった作業を行う。そのため、塚田氏は「Z-GISは管理の起点となるほ場や施設情報を総合的に管理できるため、GAP管理に適したシステムだと感じた」と話す。

今年3月に、JGAP認証取得後初の維持審査にZ-GISを活用し挑んだ松田氏は、第三者である審査員が客観的に作業内容を確認・把握できることはGAPには重要とした上で、「Z-GISの色分けや補助図形、写真格納などの機能を活用し、作業やリスクの見える化を行った。これにより、農場・現場管理の状況を第三者が把握できるようになった」と話した。また、ハイパーリンク機能を活用し、Z-GIS上から資料格納フォルダにアクセスできるようにしたため、膨大な数のマニュアルや帳票類を体系的に管理することが可能になった。そのため、紙での書類の作成が不要となり、これまでの書類とデータの二重管理から解放され、審査対応時も審査員が確認しやすいと評価を受けた。

このほかにも、Z-GISの写真格納機能を利用し、整理・整頓した現場を撮影することで、Z-GIS上でGAPの現場管理を確認することが可能だ。自身で管理の再確認ができるとともに、第三者(審査員)が写真を見て視覚的に把握できるため、維持審査をスムーズに行うことができたとメリットを挙げた。

群馬県内のGAPの状況について、塚田氏は「各法人が個別認証として単独で取得するケースが多い。その中で、JAにったみどりではレタスでGLOBALG.A.P.を団体認証で取得している。GAPの取り組みが徐々に広がりつつある中で、Z-GISのGAP活用という点も打ち出しながら、県内で普及・拡大を行いたい」と意気込みを語った。

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Z-GIS上でGAPの現場管理の確認が可能

取材に同席した、全農耕種総合対策部GAP推進課の室谷元氏は、「JAグループで使用する様式を共通化し、Z-GISクラウド上で管理することで、JAの指導の効率化を図りたい」と今後の展望を説明。さらにコロナ禍で、審査会社が審査の一部をリモート化することを模索する中で、Z-GISを利用したプログラムの設定を働きかけ、書類のデータ化により審査費用の軽減も狙いたいとした。

また、「今回は、全農の実証農場という事務環境の整った特殊な状況で、実際の生産者のほ場と使い勝手が異なる点もあると思うが、今回の実証農場での事例をアイディアとして、GAPにおけるZ-GIS活用を広く産地に薦めて行きたい」と期待を寄せた。

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