現場力強化が結実 全戸訪問で利用者目線磨く JA共済大賞・JAふくしま未来2021年5月21日
JA共済連は令和2(2020)年度に契約実績や普及活動などで優れた成績をあげた「令和2年度JA共済優績組合」を決め、20日に表彰しました。JA共済大賞を受賞した福島県のJAふくしま未来をはじめ、会長表彰は延べ370JA(実表彰238JA)、特別賞は48JA(実表彰48JA)が選ばれました。最優秀賞に当たる共済大賞に輝いたJAふくしま未来の取り組みを紹介します。
JAふくしま未来本所
地域に寄り添い信頼を獲得
福島県のJAふくしま未来は、人的資源を最大限に生かす柔軟な体制づくりと組合員・利用者のための現場力強化が実を結び、合併初年度の平成28(2016)年度以来、2度目の大賞を受賞しました。数又清市組合長は、「新型コロナウイルスの感染拡大や自然災害の頻発による不安が高まる中で、地域に真摯(しんし)に向き合ってきたことが今回の受賞につながりました。役職員の日々の努力のたまものであり、組合員・利用者の方々からの信頼の証しと自負しています」と受賞の喜びを語りました。
左から数又清市組合長、三津間一八専務、石幡洋治常務
同JAの令和2年度共済事業実績は長期共済の保有契約高が2兆4687億円、長期共済新契約が2224億円、自動車共済新契約が9万6234件となっています。長期共済新契約のうち生命共済が402億円、建物更生共済が1791億円、年金共済は31億円(年金年額)の実績をあげました。
新しい環境にも柔軟に対応 きめ細やかな推進活動を展開
合併以来、利用者らの負託に応えつつ事業基盤の強化をはかるという両面から事業システムの高位平準化をめざし、その歩みを着実に進めてきました。令和2年度は新型コロナウイルスの感染拡大が推進活動に影響したものの、これまでの「3Q訪問」活動を通じた全戸訪問で磨きをかけてきた利用者目線と、ライフサイクルに寄り添い「ひと・いえ・くるま」の総合保障を提案する姿勢に加え、厳しい環境にも柔軟な対応力を発揮した、推進活動を展開してきました。
年度当初の電話による「3Qコール」活動やDM(ダイレクトメール)の活用では加入者の不安に丁寧に耳を傾けました。訪問の際は事前のアポ取りを徹底し、ちらしを活用した非対面でのアプローチも強化しました。三津間一八専務は「信頼関係をより一層強めるため、一貫してきめ細やかな対応に努めました」と話します。
特産の「あんぽ柿」の加工作業
米や果樹、野菜など多くの品目で全国有数の産地である同JAの特徴を生かし、県内農畜産物を活用したプレゼントキャンペーンを実施しました。
キャンペーンでは生命系保障に関するアンケートを行い、加入内容の再確認とあわせて保障見直しの提案を行いました。また共済金の受取人の確認運動に取り組み、家族の保障点検につなげながら幅広い提案を行うことで、次世代や未利用者との新たな接点づくりに取り組みました
組合員・利用者目線による連携強化
これからも組合員の人生に寄り添う
現在、LAは149人。4地区本部12エリアにLAの指導やサポートを行うトレーナー10人を常駐させ、エリアの特性に合わせた活動を展開しています。各エリアにはトレーナー経験者でLAとMA(マネーアドバイザー)の両方をサポートするエリア推進課長を置き、効率的で効果的な渉外活動につなげています。
事業者に寄り添うLA
窓口機能も強化しました。スマイルサポーターは自動車共済のグレードアップ提案に加え、目標設定に工夫を凝らすことで長期共済を推進しました。窓口でできた接点を生かし、訪問のアポを取り付けてLAにつなぐなど組合員・利用者目線による連携も強めました。こうした取り組みは2年度に初めて設置したスマイルサポーターインストラクターがサポートし、効果を高めました。石幡洋治常務は「従来のような推進活動が難しい環境下で、ただ踏みとどまるのではなく、工夫を凝らしながら推進できました」と話します。
東日本大震災と原発事故から10年の節目を間近に控えた今年2月、またも大きな地震が発生しました。数又組合長は「経験を糧に、役職員が迅速に現場に向かえる体制をすぐに整え、一丸となって対応しました。組合員からは『農協の対応はとても早かった』とお褒めの言葉をいただき、努力の甲斐がありました」と地域との絆の深まりを喜んでいます。さらに、「これからも農業振興と地域活性化を促進するため、日々変化していく組合員一人ひとりの人生に寄り添う提案を続けていきたいです」と抱負を語りました。
【JAふくしま未来概況】(令和2年度末)
平成28年に4JA(新ふくしま、伊達みらい、みちのく安達、そうま)が合併して誕生
▽組合員数=9万4216人(正組合日数4万5804人)
▽共済担当者=593人(全職員数1702人)
▽長期共済保有高=2兆4687億円
▽販売品取扱高=287億円
▽主な農産物=米、桃、梨、あんぽ柿、キュウリ、花き、畜産
(関連記事)
「安心」強固に「満足」を追求 JA共済優績組合表彰に思う 青江伯夫JA共済連経営管理委員会会長
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