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地域農業振興に「次世代総点検運動」-組織協議案で提起2021年6月15日

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JAグループは第29回JA全国大会で採択する大会決議に向けて6月から8月まで組織協議を実施していく。組織協議案では持続可能な食料・農業基盤の確立に向け、「次世代総点検運動」による多様な担い手の確保に取り組むことを提起している。

JA全国大会組織協議案を決定-JA全中

今回も前回大会で決議した「農業者の所得増大」、「農業生産の拡大」、「地域の活性化」の3つの基本目標を掲げ「対話」を通じた不断の自己改革によって実現をめざす。

同時に10年後を見通して重点的に取り組む5つの柱を掲げ、その第一に「持続可能な食料・農業基盤の確立」を位置づけ、その実現に向け「多様な農業者による地域農業の振興」、「マーケットインに基づく販売強化」を重点実施分野としている。

このうち多様な農業者による地域農業振興に向けて、組織協議案では次世代の担い手を確保する「次世代総点検運動」を重点的に展開することを提起している。

JAは次の地域農業振興計画のなかで、農業者の所得増大の観点から生産数量や販売品取扱高などの目標を設定するとともに、10年後の地域農業を見通して、新たに次世代組合員数などの目標も設定することを組織協議案では提起している。

そのために後継者等、次世代の状況を総点検し、事業承継などの個別支援を行うほか、幅広い新規就農者の育成・定着を支援する。こうした取り組みを「次世代総点検運動」と位置づける。

後継者の見通しが立っている場合は、「事業承継ブック」(全農)や「事業継承の手引き」(全中)を活用して支援する。後継者確保の見通しが立っていない場合は、農作業受託や労働力支援など営農継続を支援する。こうした取り組みはすでに実施してきたことだが、次世代の確保を明確に意識し、支援策も含めて地域農業振興計画に反映させる取り組みをJAに提起している。

とくに今回は「次世代」の確保に向けて農業に関わる人の「すそ野の拡大」に取り組むことを打ち出したといえる。

JAと中央会は「半農半X」や「マルチワーカー」なども含めた多様な農業者の育成に向けて行政等と連携し、その募集から研修、就農・定着までの「新規就農者支援パッケージ」を確立し、運営する体制をつくるとしている。農業従事者が減少するなか、雇用農業者はもちろん半農半Xなど農業への参入と活動のハードルを低くするで次世代確保につなげる。

こうした次世代の農業・農村の担い手確保の取り組みは、重点実施事項として掲げる「組合員の拡大とアクティブメンバーシップの確立」にもつながる。

新規就農者や雇用農業者、定年帰農者なども「農業振興の主人公」と位置づけ、正組合員の拡大に取り組む。

さらに地域住民に対して地域農業とJAへの理解促進に加えて「食べて応援」だけではなく「作って応援」、「働いて応援」など農業へ関わりをより強めてもらう活動を通じて食と農に関心のある地域住民、さらに「関係人口」の創出と拡大に取り組むことを提起した。

今回の組織協議案では農村政策のキーワードにもなってきた農村への訪問や交流に取り組む「関係人口」の潮流にも着目し、JAはこれを地域農業振興の応援団と位置づけていくことも提起している。

これらと合わせて「参画型」も今回のキーワードだ。地域農業振興計画の策定もJAはこれまで取り組んできた対話運動をふまえ、より一層組合員の参画と意思反映をはかり、「組合員が自ら実践すべき計画と実感できる計画として策定・実践する」ことを強調している。

JA全中はJA役職員だけでなく、青年・女性組織でも「積極的に組織協議に参加を」と呼びかける。とくに今回は10年後の地域と組織の将来見通しを共有する重要な節目。組織協議案の参画することも自己改革を進めることにもなる。

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