兵庫県JAたじまが香港日本人学校向けに「コウノトリ米」食育授業-農林中金2021年7月15日
農林中央金庫の香港駐在事務所と兵庫県のJAたじまが連携し、香港日本人学校の小学5年生を対象に同JAが生産している有機栽培米「コウノトリ育むお米」を題材に7月13日と14日にオンラインで食農教育授業を行った。
香港日本人学校香港校で7月14日に行われた授業には5年生50人が出席した。
授業ではJAたじまが動画やスライドを使って「コウノトリ育むお米」を栽培している地域の歴史や、コウノトリ米の栽培方法、生産者の努力や苦労、日本から香港への輸出などについて説明した。
地域から姿を消したコウノトリを復活させる取り組みとともにコウノトリ米は、化学肥料を使わず減農薬・無農薬で栽培しているほか、早期湛水や深水管理、中干しの延期などで雑草の抑制と同時に、多様な生物を田んぼが育み、それがコウノトリの復活につながっている。
授業では米ぬかやたい肥を散布する生産者、種子の温湯消毒、消費者との交流の様子、精米工場などが紹介された。
2004年に12人の生産者で始まり、07年には生産部会を設立、08年には「コウノトリ育むお米」の商標を登録。現在、450haの水田で300人の生産者がコウノトリ米を作っている。
コウノトリ米を学習した地元、豊岡市の小学生は消費が増えれば生産が増えると「給食にコウノトリ米を使ってください」と市長に直訴、2016年から学校給食に使われるようになり、毎日が米飯給食になった。
2015年にはイタリアで開かれたミラノ万博への出展をきっかけに海外輸出にも取り組み、1500tの生産量のうち約20tが香港、シンガポール、米国など8カ国地域に輸出している。
香港では日本食レストラン向けや、高所得層をターゲットにした量販店などで販売されている。
JAたじまはうるち米だけでなく、もち米や酒米なども生産、パックご飯や米麺、米粉パンなどに商品を広げている。
今回の授業のきっかけは日本人学校から農地がない香港での農業学習について農林中金香港駐在事務所に相談があったこと。農林中金は農業学習教材「農業とわたしたちのくらし」を同校などに提供している。
授業を行ったJAたじまの職員は組合員の作った大切な米を通じて、香港の子どもたちに食と農の大切さを知ってもらえればと動画も用意して説明した。
教室にはおにぎりなども準備されており、産地をより近くに感じられる工夫も。生徒たちからは「米づくりがコウノトリと深く関わっていたことに驚きました」、「おいしい米ができるまでが良く分かった。農家の人の思いを受け取って食べます」などの感想が聞かれた。
米の輸出実績は年々増加し2020年で53.1億円(1万9687t)。このうち香港は18.0億円(6987t)でトップ。前年比で30.8%伸びた。
香港には農地がないため香港市民も農業に触れる機会がない。今回のオンライン授業のようなJAなど産地からの情報発信は現地の人に対して日本の食と農への理解を深めプレゼンスを高めることも期待される。
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