低コスト再造林プロジェクト広がる 「アサヒの森」でも実証試験-全森連・農林中金2021年10月21日
全国森林組合連合会と農林中央金庫が昨年7月に立ち上げた「低コスト再造林プロジェクト」にアサヒグループホールディングスが参画する。10月20日、3者が発表した。
コウヨウザンのコンテナ大苗
このプロジェクトは早く成長する樹種で中国原産の「コウヨウザン」を活用して、伐期を従来の50年から30年に短縮することをめざす。
また、コンテナ大苗(育苗用の培土を入れた専用の容器で生産された土付きの大苗)を活用することで伐採と再造林を一体で行い、面積あたりの植栽本数を減らすことで地拵えや雑草の下草刈りなどの作業が削減され、再造林・育林コストが半減されると見込まれている。
プロジェクトは全国3か所で実証試験を行っており、今回はそのうちの三次地方森林組合にアサヒグループホールディングスが三次市に所有している社有林「アサヒの森」の一部を実証試験地として提供する。
「アサヒの森」の試験地
10月上旬から「アサヒの森」の約1haを伐採し、下旬から「コウヨウザン」の苗木約1500本を植栽する。5年間の実証試験期間中に生育状況を確認し、従来型の造林とくらべて作業量や育林コストの低減などを検証する。実際の作業は三次地方森林組合に委託する。
全森連は事業主体として進捗管理し農林中金はプロジェクト費用の支援などを行う。
同プロジェクトの実証試験はほかに、長野県・根羽村森林組合、宮崎県・都城森林組合で行っている。
日本の森林は戦後に造林された人工林が中心。その半数が主伐期にあたる50年生を超えており、伐採し再造林する必要があるが、育林コストの増加、担い手不足などの課題を抱える。
生物多様性の保全やCO2吸収による地球温暖化防止への貢献など森林機能が重要になっているなか、林業経営の課題を解決する取り組みとして同プロジェクトは期待される。今回は持続可能な社会をめざすアサヒグループにも賛同が広がった。
全森連と農林中金はプロジェクトで得られた成果を全国に波及させ、再造林によって森林の多面的機能が維持・発揮されることをめざす。
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