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現場に寄り添った力強い農政実現を-JAグループ農政推進緊急全国大会2021年11月12日

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JAグループは11月5日、東京都内でJAグループ農政推進緊急全国大会を開いた。会場にはJA関係者500人が参加したほか、オンラインでも中継し全国が4000人が参加、米、畜産、青果など品目対策や人・農地政策見直しなどで万全の対策と予算確保を求めた。

東京・有楽町で開かれた緊急集会東京・有楽町で開かれた緊急集会

政府・与党は経済対策と補正予算を検討しており11月下旬にも決まる見込みだ。そのため万全の予算確保と政策が確立が必要だとして緊急に全国大会を開き与党の国会議員に要請した。

JAグループの集会の実開催は2年ぶり。JA全中の中家徹会長は主催者あいさつで「生産現場は新型コロナウイルスによる需要減や価格下落が続くとともに、原油などの価格高騰があり、大変厳しい状況だ。将来に向かって豊かな暮らしを提供し、国民の命を守るためにも食料安全保障の確立と多様で豊かな農業・農村の実現が急務だ。国民、消費者のために生産者が厳しい状況を乗り越えられるよう万全な農業関係予算の確保をはじめ、現場に寄り添った力強い農政の具体化、実現に取り組むことが求められている」と強調した。

代表要請では「とくに厳しい米対策は予算の増額など最重点事項になる」として、市場隔離効果のある特別対策を求めたほか、国産農畜産物の需要回復、拡大対策の継続と拡充を要請した。

また、世界の経済活動再開などにともなって、燃油や肥料、飼料が高騰して「現場は何重苦」だ現場の実態を語り、営農継続のための経営安定に向けた万全の対策を求めた。
年末に具体策が取りまとめられる「人・農地・農村政策」の見直しでは、中小・家族経営を含む多様な経営体を積極的に位置付けることや、新規就農支援策については全額国費で負担している現行の事業の継続や、企業の農業参入について基本計画や現場の実態をふまえた規制強化などの施策が必要だと強調した。

また、TPP対策予算はこれまで同様に3000億円規模を確保するよう求めた。

中家会長は「JAグループは食料安定供給のリスクが高まるなか、国民が消費する食料はできるだけ国内で生産するという国消国産を発信している。そのためには農業の生産基盤の強化が喫緊の課題だ。農は国の基という考えのもと、国民の命を守り将来に渡って豊かな食と暮らしを提供し続けられるよう力を合わせ全力で取り組んでいきたい」と強調した。

伊藤水田農業対策委員長伊藤水田農業対策委員長

その後、伊藤孝邦全中水田農業対策長が米対策について要請。水田活用直接支払交付金について、3年産で作付転換に協力した生産者と産地の努力に報いるとともに、4年産でもさらに作付転換が求められることから「産地交付金を含め必要かつ十分な予算の確保」、さらに飼料用米など戦略作物助成単価の維持などを求めた。

また、ナラシ対策は対象をJAとの出荷契約者とするなど見直しを求めたほか、米の周年事業は民間在庫が引き続き高水準であることから、3年産米の長期保管対象をさらに拡充することも求め「現場の切実な声を受け止めてほしい」と要請した。

小野寺酪農対策委員長小野寺酪農対策委員長

小野寺俊幸酪農対策委員長は、脱脂粉乳とバターの在庫が積み上がるなか、消費拡大など生産者団体と乳業が一体となった取り組みを支援することや、配合飼料価格安定制度の安定運用に向けた財源の確実な確保などを要請した。また、自給飼料基盤の拡充も重要だと強調した。

西本青果対策委員長.jpg西本青果対策委員長

西本滿俊青果対策委員長は中小規模の生産者・産地を含めて、すべての産地が生産基盤の強化に取り組むことができる産地生産基盤パワーアップ事業や、国産野菜の安定供給と野菜生産者の経営安定に向け、野菜価格安定対策事業に必要な予算の確保などを要請した。

また、みどり戦略や輸出促進に取り組むため、現場が着実に取り組める対策を打ち出すことが重要だと強調した。

要請に対し自民党の塩谷立農林・食料戦略調査会会長は、米について市場隔離効果のある特別枠の実施など販売環境を整える政策や、4年産でも戦略的に作付転換に取り組むために「必要かつ十分な予算の確保をする」などの考えを示したほか、原油や飼料高騰に対する対策、TPP対策で3000億円規模の予算確保に取り組む姿勢も示した。

公明党の稲津久農林水産部会長は市場隔離効果のある米対策の実施とともに、水田リノベーション事業について現行270億円で十分かも検討したいとしたほか、新規就農支援策で自治体の負担への十分な支援が必要などと述べた。

集会では最後に洞口ひろみJA全国女性協会長が音頭をとってガンバロー三唱。

洞口JA全国女性協会長洞口JA全国女性協会長

洞口会長は「要請をしっかりと受け止めてもらえると期待している」と強調したほか、「女性組織のメンバーはた農業者と消費者の視点からコロナ禍にあっても食農教育や子ども食堂など地道な活動を続けている。農業の生産現場はコロナ禍や気候変動の影響で厳しい状況にあるが、国民・消費者が求める安全でおいしい食を持続的に供給していく対策を強化していく必要がある」などと話した。

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