JA販売事業 コロナ影響で前年比▲1.2%-2020事業年度総合JA決算2021年11月16日
JA全中はこのほど2020事業年度(令和2年度)総合JAの決算概況を公表した。
JA全中が報告を受けた総合JA581JAを集計した。
組合員数は約104万9883人で正組合員は約410万人、准組合員は約631万人。正組合員は▲1.8%、准組合員は+0.5%だったが、全体では▲0.4%となった。
役員数は▲4.0%、正職員数は▲2.2%となった。
事業取扱い高のうち、貯金残高は106兆9406億円で前年度比2.5%の増加だった。46県域、526JAでそれぞれ増加した。政府が措置した特別定額給付金や経営継続補助金によって当座性預金が増加してことが原因と考えられるという。
貸出金残高は22兆3525億円。同1.8%増。34県域、337JAでそれぞれ増加した。住宅ローン残高の伸びが要因。
一方、長期共済保有高は238兆7850億円で▲2.7%だった。満期等の到来で生命総合共済を中心に減少傾向が続いている。46県域、534JAで減少となった。
購買品供給・取扱高は2兆2684億円で▲5.8%だった。穀物価格の上昇による飼料価格の上昇があったものの、海外原料の下落による肥料価格の引き下げ、また、新型コロナウイルス感染症の拡大による農機等の推進の制限や、イベントの中止による生活物資の消費減退が原因と考えられている。
47県域、479JAで減少となった。
販売品販売・供給高は4兆4854億円で▲1.2%となった。野菜・果樹は、長梅雨と猛暑による青果物単価高騰の影響を受けてほぼ横ばいだったが、新型コロナウイルス感染症拡大で米は業務用需要を中心とした需給の崩れによる大幅な米価下落、子牛価格の低下をはじめとした畜産市場の低迷が影響した。
全体として前年比減となり、30県域、312JAが減少となった。
事業総利益は1兆7067億円で▲1.9%。事業総利益は平成15年度決算から26年度まで12年連続で減少していた。27年度は前年比0.9%増だったが、28年度から減少傾向となった。
事業別では信用事業総利益が▲3.6%の7060億円。貯金調達コスト等の削減が昨年に引き続き進んだが、日銀のマイナス金利の影響による預金利息や貸出金利息など、資金運用収益の減少を補いきれず、貸倒引当金戻入額の減少もあって減益となった。
共済事業総利益は▲3.7%で4258億円。事務負荷軽減の取り組みで事業費用の削減が進んだが、保有契約高の減少や、建物更生共済の転換減少による共済付加収入の減少がおもな要因と考えられている。
購買事業総利益は1.4%増の2766億円。販売事業総利益は1.0%増の1473億円となった。
事業管理費は▲2.8%で、このうち人件費が▲3.2%となり、事業利益は7.1%増の1726億円となった。
事業利益段階では29県域で前年比増となった。JAベースでは黒字を計上したのは562JA。このうち326JAが前年比増、236JAが前年比減となった。一方、赤字を計上したのは19JAで前年度比で2JA増えた。
特別利益が6.3%増、特別損失0.9%増、減損損失は2.4%増となった。
当期剰余金段階では前年比94億円増(6.3%増)の1605億円となった。
25県域で前年比増。JAベースでは535JAが当期剰余金を計上した。うち496JAで前年比増、39JAで前年比減。46JAが当期損失を計上した。損失計上したのは▲16JA。
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