規格外チーズを発酵肥料に バター会社と連携しコスト削減 JA兵庫南2021年12月14日
兵庫県のJA兵庫南はチーズの大手・六甲バター(本社・神戸市)と連携し、商品として売ることのできない規格外のチーズを発酵肥料として活用する取り組みを始めた。生産コストを引き下げ、輸入原料に頼る化学肥料の使用を減らすなど、環境に配慮した農業の確立を目指す。12月8日、締結式を行った。
連携協定の締結式(左から2人目中村良祐組合長と3人目塚本浩康六甲バター社長)
チーズの規格外チーズの活用については2013年、六甲バターからJA兵庫南と食品会社のサンキューフーズ社(本社・加古川市)に相談があったのがきっかけ。サンキュー社がJAの空き倉庫でチーズを使った発酵肥料を開発した。一部の農家や県立農業高校で導入し、効果が確認されたものの、利用者は増えなかった。
このため六甲チーズは、発酵肥料の需要拡大のため、野菜で肥効試験を行おうと、JAに協力を申し入れたことから、連携協定締結となった。JAでは輸入原料に頼る化学肥料が高騰しているなかで、安定的に確保できる良質な有機資材として期待する。
JAは今後、ビニールハウスで小松菜などの軟弱野菜で試験栽培し普及していく考えだ。規格外チーズ100~200tを肥料化するとJA管内で使われる化学肥料の約3割に相当するという。同JAの中村良祐組合長は「農業者の所得増大を目指すなかで、規格外チーズと米ぬかを発酵させた有機たい肥は、地域資源の有効活用や化学肥料の削減につながる。JA兵庫南では、この事業連携を持続可能な農業の実現に向けた具体的な取り組みとして位置づけ、広げていきたい」と期待を寄せる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(103) -みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(13)-2024年7月20日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(19)【防除学習帖】 第258回2024年7月20日
-
土壌診断の基礎知識(29)【今さら聞けない営農情報】第259回2024年7月20日
-
コメの先物取引は間違い【原田 康・目明き千人】2024年7月20日
-
(393)2100年の世界【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月19日
-
【'24新組合長に聞く】JA鹿児島きもつき(鹿児島) 中野正治組合長 「10年ビジョン」へ挑戦(5/30就任)2024年7月19日
-
冷蔵庫が故障で反省【消費者の目・花ちゃん】2024年7月19日
-
農業用ドローン「Nile-JZ」背の高いとうもろこしへの防除も可能に ナイルワークス2024年7月19日
-
全国道の駅グランプリ2024 1位は宮城県「あ・ら・伊達な道の駅」が獲得 じゃらん2024年7月19日
-
泉大津市と旭川市が農業連携 全国初「オーガニックビレッジ宣言」2024年7月19日
-
生産者と施工会社をつなぐプラットフォーム「MEGADERU」リリース タカミヤ2024年7月19日
-
水稲の葉が対象のDNA検査 期間限定特別価格で提供 ビジョンバイオ2024年7月19日
-
肩掛けせず押すだけで草刈り「キャリー式草刈機」販売開始 工進2024年7月19日
-
サラダクラブ三原工場 太陽光パネルの稼働を開始2024年7月19日
-
「産直アウル」旬の桃特集 生産者が丹精込めて育てた桃が勢揃い2024年7月19日
-
「国産ももフェア」直営飲食7店舗で25日から開催 JA全農2024年7月19日
-
「くまもと夏野菜フェア」熊本・博多の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年7月19日
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(1)地域住民とともに資源循環 生ごみで発電、液肥化2024年7月18日
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(2)大坪康志組合長に聞く 「農業元気に」モットー2024年7月18日
-
【注意報】野菜・花き類にオオタバコガ 栽培地域全域で多発のおそれ 既に食害被害の作物も 群馬県2024年7月18日