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共済金支払いの迅速化へ地図システムを開発-JA共済2021年12月22日

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JA共済連は、自然災害で被害を受けた際に迅速に共済金支払いができる地図システムを開発した。本格稼動は2022年5月からだが、今年7月の静岡県伊豆山土砂災害で先行して活用している。

地図上で視覚的に被害規模(オレンジ色部分)を把握するとともに、ピンで契約情報をマッピング。 ピンの色分けで進捗管理もできる。地図上で視覚的に被害規模(オレンジ色部分)を把握するとともに、ピンで契約情報をマッピング。
ピンの色分けで進捗管理もできる。

JA共済の損害調査は、これまで災害を受けた地域の契約情報と地図を突き合せて手作業で対象契約の一覧表を作成し、それをもとに住宅などを訪問して査定してきた。査定の状況など進捗管理もその一覧表をもとに行ってきた。

今回開発した地図システムは、被害エリア内の契約をデータを国土地理院など公的機関が示す地図に自動的にマッピングする仕組み。どの地区にどのくらい被害があるかを可視化できる。

このマッピングされた情報をもとに、どこから査定に回ればいいかが判断できる。また、災害によって立ち入り禁止区域となった地域でも航空写真で確認し、全損判定の参考にすることもできる。
査定後も地図システムで査定ステータスを管理することができ、「より早い共済金支払いにつなげることができる」(JA共済連)という。

来年度から本格稼動することをふまえ、今年7月3日に発生した伊豆山土砂災害で先行活用した。

地図システムに土砂災害のデータと契約データを投入し、エリア内の契約件数を把握。被害の程度や調査ステータスなどの情報を随時追加していった。また、立ち入り禁止区域については航空写真などの情報で全損物件の特定に活用した。

このシステムの活用で現場のJAからは被害全体の把握や、その後、損害調査計画の策定に役立ったとの声や、立ち入り禁止区域でも航空写真などの情報で全損物件の特定をしたため、早期の共済金支払いにつなげることができると評価されている。

今後はハザードマップなどと地図システムを組み合わせて、災害が起きた際の被害棟数の予測もできるため、調査員の人員配置などのシミュレーションにも活用できるとの声もあったという。

JA共済連ではデジタル技術を使った地図システムで契約者の地域の自然災害リスクなどのお役立ち情報も提供できるとしており、来年度から順次実装していく。

JA共済の建物更生共済は、建物の火災、風水害、地震による被害や、これらに伴うけが、万一の場合などにまとめて備える貯蓄型のオールインワンタイプの保障。2021(令和3)年3月末現在で約966万件の加入がある。

過去の自然災害での共済金支払いは、東日本大震災で9375億円、平成28年の熊本地震で1486億円、平成7年の阪神・淡路大震災では1188億円となっており、被災者の生活再建を支援した。

JA共済連では、地図システムの導入を通じて組合員・利用者に一日も早く安心と共済金が届けるよう取り組んでいくとしている。

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